Unicodeとはどんなものか
フォントざっくり解説⑬
フォントに興味はあるけれど細かい事が不安で何となく購入に至ってない方、仕事で入手する必要ができてしまったけどイマイチ選び方に自信がない方のための、ざっくり解説。
厳密すぎる説明で途方に暮れてしまわないよう、選ぶ・買うのに必要な知識を、ほどほどに端折りながら解説します。
※2014年4月時点の情報です。
昔から使われて来たJISコードと、最近は多くのアプリケーションが対応してきたUnicode。この両者の違いを中心に、Unicodeの主な利点をさっとご紹介します。
各国語の混在もできる、膨大な文字集合
Unicodeを一言でいえば、「全世界の文字を可能な限り集め、番号付けしたもの」(※)です。
それまで各国でバラバラに制定されていた文字コードに代わり、全世界の文字を統一のルールで情報処理できるようにしようという野心的な規格であり、国際標準化機構・ISOでも追認されています。
※まだ拡張中ですので、「~番号付けしようとしているもの」というべきかもしれません。
一部、日本・中国・台湾で使い分けられる漢字の統合の仕方に難があるなど細かな問題も指摘されていますが、従来の各国個別の文字コード体系では表現できなかった「各国語の混在した文書・Webサイトのページ・データベースなど」を実現できるという一点だけでも、大きな成果のある規格といってよいでしょう。
一般ユーザーにはあまり意識されずに進んだUnicodeの普及
その昔、日本語の文字列を表現するには、(多少のバリエーションはあるものの) JISあるいはその改良版的な位置づけのシフトJISと呼ばれる番号付け体系が用いられていました。
これらの方式で表現できる日本語文字の範囲は今日のものに比べると狭く、基本的にはその名の通り、JISで定義されたごく一般的な記号類・かな文字・JIS第1/第2水準漢字程度に限られていました。
一方、Unicodeの体系では、JIS第3・第4水準漢字の他、それまでより遥かに多くの記号類が使用できるようになっています。さらに、1つの文書内で外国語との混在なども容易にできる点も、大きな利点です。
このような利点のため、ワープロやテキストエディタなどの文書作成ツールだけでなく、ファイル名保持の仕組みからWebブラウザに至るまで、Unicodeの普及はOSやアプリケーションソフトの側でゆっくりと着実に進行しました。
現在では一般ユーザーの方は特に意識もせず、知らぬ間にUnicodeベースで表現された画面を眺め、Unicodeベースのファイルを保存しているというケースがほとんどかもしれません。
フォントについても同様で、日本語OpenTypeフォントを始め現在のフォントの多くはすでにUnicodeを基盤に作られており、2万文字以上の文字を扱えるものも珍しくなくなりました。
注意しなければいけないことは?
前述のとおり、一般的なユーザーにとって、その文書がJISコードの範囲内で作られているかUnicodeの範囲まではみ出して作られているかは、あまり意識する必要のない事柄となりつつあります。
このうち最も対応が遅れていたのが電子メールにおけるUnicodeの扱いですが、制限的とはいえ、それも徐々に改善されつつあります。
他の文書からコピーした文字列を貼り付けるときに不都合が出たり、保存するときに警告が出たりする場合は、そのアプリケーションや文書形式がUnicodeに対応しているかどうかを疑ってみるとよいかもしれません。
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