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デザインのデザイン

最初の本の紹介 
「デザイン」を考える方全ての方へ

こんにちはシンゴ先生です。お元気ですか?
雨が降ったり止んだりの今日この頃ですが、くれぐれも
体調管理にお気をつけくださいね。

さて本日は本の紹介です。まず真っ先に紹介したいものそれは、
「デザインのデザイン(岩波書店 2003年)」原研哉の本です。
こちらは「デザイン」を始める全ての方に手に取って欲しい本です。 

デザインとは何かが分かりやすくまとまっており非常に繊細な一冊です。
勉強する人には序盤はちょっと頭を抱えてしま うかもしれませんが 
中盤はスラスラと読める構成になっていました。

 この本は、タイトルの通り「デザイン」という言葉の真意に関して 
デザインそのものを考えること自体が既にもうひとつのデザインという
入り口から入ります。

デザインを探求することが既にデザインであり、デザインを考えること自体 次のデザインに結びつく何かを生み出している行動と表現をされています。
私が共感した点は、デザインというものはものすごく定義することが難しく 時には明快に問題解決を促すものもあれば、そもそも今やっている事って 
本当に正解だっけと自問自答することがあります。

本書では導入部分で、どこまでがコップでどこからが皿なのかを教えてくださいと問われます。その問いに、どこまでがコップかが分からなくなります。 コップについて分からなくなった私達はコップについての定義がより曖昧なものになります。 しかし以前よりコップについての認識が後退したわけでなく、むしろその逆である(まえがきからの引用)と本書で述べられています。

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本質的なデザインを思考、制作するためには思考の深掘りが大変重要になってきます。理解を深めることは時に痛みを伴いながら考え、そもそもそれがどうしてそうなっているか? と一歩踏み留まる必要があります。デザインを捉えようとする行為がもう1つのデザインというのはまさにこのような感覚です。
  
本を読み進めていくと、現代のテクノロジーにも触れる場面がありました。 原研哉はテクノロジーの躍進を称賛する一方、テクノジーはもっとゆっくり進化すべきであったとも述べられています。 街中や家の中で出会す様々なデザインは息つく暇もなく絶えず量産され、その結果私たちはどこか不完全なシステムによく出くわします。不確実で破綻しやすい体型を保ったまま量産され、不健康なテクノロジー環境の中で、日々のストレスを募らせている現実も述べられています。 デザインを考える上で、原則としてまずその土台にある状況や環境が大きく関係していること、さらにその環境がものすごいスピードで動いていることをこの章で感じることができます。

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ここからは本の各章に関しての話を少し載せます。 
話の第一章では「デザインの発生(P3)」についても触れられています。
アメリカやドイツ、イタリアで独自に発達してきた歴史や日本での展開などにも触れられ そこを読むだけでも非常に内容の濃い読み物となっています。 

第二章の「リデザイン(P27)」ではペーパーショップ竹尾の100周年の展覧会のアイデア紹介隈研吾の思想や制作物、無印でおなじみの深澤直人のアイデアも紹介されています。 大御所の方が考えるプリミティブなデザインの発想や紙の捉え方、作品コンセプトは圧巻でした。またアートとデザインの違いに関しても触れられております。 

第三章(P61)から終盤まで 原研哉の作品を交えながら、無印のデザイン理念や広告物を制作する際の裏側など、 彼のフィルターを通して見ることが出来ます。松屋銀座リニューアルプロジェ クト、病院のサインデザイン、 無印の起源と課題、また広告に関しての経験談を覗くことができます。 

最終章(P201)ではデザイナーの「質」に触れられています。その質を「情報の美」と定義し、「情報の美」を定義するための3つのルートを 「分かりやすさ」「独創性」「笑い」の三元素と呼び、デザインに必要な「情報の美」を生み出すためのヒントが 明記されていました。3つの中に「笑い」が入っている事に原さんのユーモアさが伺えます。 

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本の全体を通して最も印象的だったのはこのデザインハウスとの共通点、
それは「デザイン教育」に関してです。 日本の住宅を見て「和室」と「洋室」住空間の融合に正解を見いだせないまま我々は日々の暮らしをしています。 たくさんの正解が見出せないまま今日を過ごし、考える暇もなく次々に広告が目に入り、私たちの感覚に少なくとも影響を与えています。
原さんのこの本の中では生活環境におけるものに対する合理的な見解が義務教育の初期に行われていれば、生活者全体の意識は変わるのではないかと述べられています。わたしたち、デザインハウスはもちろん身近な人々を繋げて、デザインの知識を共有していくことを目的としていますが、同時に関わる方全てのデザインリテラシーを上げていければとも考えています。
デザインやデザインシンキングを増やすことで、今存在する前提は前提ではなくなり、新たな思考を生み出すことで、みなさんの日常が少しでも輝きを増し、アイデアあふれる日常になればなと考えてます。

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原さんが思うデザイン、もしくはデザイナーに必要なことそれは 単にビジュアルでカッコよくアピールすること、広告やサインを作る職能ではなく、環境や日常生活のあらゆる場面で有効であり物事の本質を把握しそれに相応しい情報の形を与え、最適なメディアを通して社会に還流させていくこと(P204)光に向かって歩き出す一群である(P224)と締めくくっています。わたしたちもその小さな一群として楽しく進んでいければいいなと思いました。 他にも紹介したい事は山ほどございますが、
まずはこの本を是非手にとって一読 してみてください。 

それでは今回はこの辺でまたね ^^


シンゴ先生




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