daen 誕生秘話
私は大学の教員をしていますが、滋賀県のある大学のある2人の女子学生がいました。
この2人が所属する学科はデザインを学ぶ学科です。
その2人に、私はある時「大阪のデザイナー江口海里さん(KAIRI EGUCHI STUDIO 代表)の事務所でやっている展示会を見て来なさい」と紹介したのです。
でも学生達はその日は、東京からわざわざ滋賀に来る卒業生にラーメンに誘われていました。
2人は、本当に、すっごく、すっごく、すっごく、悩んでいました。
学生の頃は本当にそういう大事な判断もできないものです。
大阪までの電車代をケチって、目の前の楽しいことに飛びついてしまう。そんなことありますよね?(ちなみに滋賀から大阪まで往復で4000円かかります)
そういうのは、普通だと思います。
でも、結局、決意して2人は大阪の展示会に行ったのです。
そうしたら、デザイナーの江口さんがたまたまいて、
「滋賀からわざわざ来るなんて偉いな。やる気あるな」
ってことになりました。
江口さんは定期的にテーマを変えて展示会をしているのですが、次の展示会のメンバーに、学生チームとして特別扱いで2人を入れてくれたのです。
その展示会が「compositin 04 白銀比」という白銀比 1:1.414を使ったテーマの展示会で、2人は作品を作り上げてプロに混ざって展示会を2022年11月にしました。これは3年生の時の11月です。
そのイベントは、有名なJDNというサイトなどで紹介されました。
その時から、学生なのに「daen」というチーム名で二人は活動を開始しました。
このチーム名を名付けたのは江口さんです。
そして、ロゴマークのデザインを私がプレゼントしてあげました。
こんなわけでもらった大切なチーム名でもう辞められなくなったわけです。
他にもその後、メンバーの宇佐美さんは、東海プロダクトデザインアワードと、京風パッケージデザインコンペでどちらも最優秀賞を受賞しました。
その後、2023年4月には江口さんの親しいメンバーでミラノサローネに行かせてもらったり。
ミラノサローネなんて雲の上の話と思っていましたが、行ってみて「自分たちも出したい。出せるかも」と思ったそうです。
江口さん主催の1年後の展示会「composition 05」にも参加したりしました。その展示会は東京と大阪でやることになりました。
そういうわけでその後、あれよあれよと二人の意識は高くなり、私が思うに、二人は異彩を放つ学生になったのです。
学生なのに、他にも商品開発の話など動いています。
こんなに恵まれた学生がいるでしょうか?
私は他に知りません。
つまり、あの時、「ラーメン」を取っていたらこんなチャンスはなかった。
「今思うと怖すぎる。。。」 と2人は言っています。
ラーメンを誘った先輩も懐が深いので、あの時、来なくてよかったなと心底思ってくれているはずです。
ちょっとした判断で、人生が大きく変わる。
そういう事はよくあります。
彼女達のこれからの活躍に期待です。
daen designをどうぞよろしくお願いします。
https://www.instagram.com/daen__design/
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