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「ヨーロッパ目打ち」を使う

前回のあらすじ
at LeatherWorks さんにて
3.85mmピッチのヨーロッパ目打ち(2、8刃)を購入した。

・製作するにあたり

まずこれまでの5mmピッチ→3.85mmピッチへの図面の修正が必要になるため
仕事のスキマ時間でコツコツ進めながら製図を完了させた。
この作業で2週間くらいかかった。
(ちなみ普段はVectorworksというCADソフトで製図したものを厚紙にプリントアウトして型紙を作ってます)

次の打合せの合間を縫って製図

・打つ前に

これまで使っていた菱目打ちは、先が錐形なので図面の「点」を目がけて打ち込んでいたけれど、ヨーロッパ目打ちの形状は「線」になるので、最初に自分なりのガイドを決めるのに苦労した。結果としては「線」の中心を図面上の点に合わせるというやり方で進めることにした。

よく見ると目打ち跡の線の中心に「点」があります。型紙から革に切り出す時に点も一緒につけるのですが、僕の場合はこれをガイドにして目打ちをしています。

・使用感

8刃もある目打ちなのに、サクッと刺さる。上から軽く手でトンッと押しただけでも、しっかりと目打ち跡が残る。そしてフレンチオウル(ヨーロッパ菱錐)の切れ味がすごくて、手に残る感覚が何とも心地よい。
実は今回もうひとつ変えたことがあって、HERMESの職人さんに倣って目打ちを貫通させずにフレンチオウルで1つ1つ穴を開けるという試みをしました。
「ヨーロッパ目打ち」→「穴あけ」という感じです。
具体的にどうこう成るのかは理解できてないけど、目打ちを貫通させる仕上がりと比べると大きく変わるみたいです。

縫い穴と、フレンチオウル。これの切れ味がすごい

・結果

5mm巾の菱目打ちと比べて
・穴巾に無駄がない
・コバの断面に出来るズレが解消した(ような気がする)

という結果だったので、5mm巾の菱目打ちの時に発生していた問題は無事に改善したという結果でした。あと縫い目綺麗です。
デメリットとしては、単純にピッチが小さくなった分、縫う時間がかかってしまうということ。これは慣れるのかな?と思ってます。

↑5mm巾の菱目打ちを使った財布(たしか協進エルさんのやつだったと思う)穴巾が大きく、ステッチに対して無駄がある。もしかしたらもう少し太い糸なら合うかもしれない。
↑ヨーロッパ目打ち3.85mm巾を使った財布。穴巾に無駄が無い。

この調子でしばらく使ってみようと思います。
ハマったら今度は4.0mmのヨーロッパ目打ちや、Yorkshineさんが作られている菱目打ちなんかも試してみたいです。ただ金額が金額なのですぐにとはいきませんがまた更新します。



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