保守について考えること

1.はじめに

 保守とはなんだろうか。
 最近自民党の総裁選が世を賑わせている。私は数年前までは政治経済的なことに関心があったのだが、ここ数年はそれよりも哲学思想的なるものに対する関心が高まっており、政治情報について追っていない。だから個々人の政策の違いについて述べることはできない。
 一応自民党は保守派が支持する政党と言われているのでそもそも保守とはというところを考えてみたい。

2.保守と革新

 保守の対義語は一般的に革新とされる。保守は右翼と呼ばれ、革新は左翼とされる。歴史的にはフランス革命時の議会の座る位置で右翼左翼と呼ばれているがそこはどうでもいい。
 この2つの違いは人間に対する考え方だと思う。ずばり、人間は弱い生き物だと考えるのが保守であり、人間は強い生き物だと考えるのが革新だ。
 保守が歴史を大事に考える理由はここにある。人間は弱い生き物なので、流されやすく、間違いやすく、失敗しがちだと考えるからこそこれまでの経験値(歴史、過去)を重要視することでリスクを軽減しようと考える。
 例えば最近流行りのLGBTQや夫婦別姓の議論に対して革新的な人々は、
「保守的な人々の権利を侵すことはないのだから認めるべき」
という論調で説得を仕掛ける。
 確かに一見すると問題なさそうに見えるかもしれないし、実際問題ないのかもしれない。しかし、保守は人間は間違いやすい生き物であることを知っているので、問題なさそうに見えることでも慎重に時間をかけて議論しないといけないと主張する。

 例えば、原子力エネルギーというものは石炭石油などの火力エネルギーよりクリーンなエネルギーであるということで推進され導入された歴史がある。しかし、チェルノブイリや福島の事例や汚染水、放射性物質の問題などから現在ではクリーンなエネルギーであることを強調されることはない。
 当時の知識人は原子力エネルギーはクリーンだから認めるべきという意見であり、問題なさそうだったから採用されたが、現在では問題面が強調されている。
 人間なんてこんなもんだ。

3.結論

 総裁選について誰がいいかはわからないし、語る資格とない私だが、保守を自称する人、政治家に言いたい。
 人間は間違いやすい弱いものであるということを念頭においてほしい。もう少し慎重さ、時間を重要視して発言を選んでほしい。
 しかしそんなことをしたら大衆社会ではウケが悪くてだめなんだろうなぁ。

いいなと思ったら応援しよう!