ベンチから聞こえてくるメッセージ
つくば市の学園地区を南北に通るペデストリアンデッキにはたくさんのベンチがあります。例えば、中央公園の池の畔ベンチには、子供連れの家族や学生、サラリーマンなどが、思い思いに腰掛けている姿を皆さんもよく見かけるのではないでしょうか。
ベンチがあることで、その地域での滞在時間が延び、経済効果が生まれるというデータがあるようです。また、ベンチがあることで、足腰が弱い人でも、一度そこで休憩が取れ、それによって歩行距離を伸ばすことにつながるというデータもあるようです。それはつまり買い物に行けることにつながり、また、足腰等のリハビリにもつながります。また、人との交流にもつながります。
わたしは、つくば市内にもっとベンチを設置できたらと考えています。
ベンチの設置には国が定めるガイドラインがあり、それに準じて設置することが望ましいと思います。さらに、設置後の整備費などの予算措置も必要になるでしょう。
まずは、今あるベンチを整備して、綺麗に使えるようにしたらどうでしょう。市民でワークショップ的にベンチを補修したり、ペイントしてみたら楽しいのではないでしょうか。そうすることで、そのベンチへの愛着が生まれ、大切に利用したいという気持ちも芽生えたら最高ではないでしょうか。そこからまた、地域やコミュニティへの新たな関わり方も生まれるかもしれません。そんな取り組みは如何でしょうか。
ベンチがあることで、「ここで一休みしていいですよ」「ここでおしゃべりしていってください」という声が街から聞こえてくる気がしませんか。反対に、どこを探しても、ベンチひとつなく、歩き続けることになると、街から聞こえる声はどんなものでしょうか。
つくば自立生活センターほにゃらがある通りにはベンチがありませんでした。そこで、ベンチをほにゃらの前に設置してみました。丁度、廃棄されるベンチを譲り受け、補修して色を塗り直したものです。その作業自体がとても楽しかったのを覚えています。
そうして設置されたベンチには、あたかもこれまでそこにあったかのように、待ち合わせのために、ジュースを飲みながらおしゃべりしたり、人が座って行くようになりました。やっぱり、ベンチがあれば人は座るんだなと実感しました。