ドンキーコング64が、初めての海外留学経験だった
今回は、アメリカレア社のゲーム、ドンキーコング64の思い出を語ります。
このゲームは、僕が5歳の時に出会い、強烈な外国感と、多すぎる収集アイテム、外国ゲーム独特の濃いキャラクターや表現で、いい意味でも悪い意味でも幼稚園児の僕の脳裏に強烈に焼きついたゲームでした。
今回は、主にそのゲーム表現から滲み出る圧倒的な「外国感」と、それが僕のその後にどんな影響があったか、に着目して書いていきたいと思います。
ゲーム開始直後のヒップホップ調のテーマソング
このゲームは、開始直後に、いきなり「DKラップ」という90年代ヒップホップ調の曲とともに幕開けます。
「おかあさんといっしょ」のやさしい、朗らかな曲調に慣れていた5歳児の日本男児に、
HERE WE, HERE WE, HERE WE GOOO!!
DK!! WOOOW!! DONKEY! KONG!! (ズン!ズン!)
という野太いアメリカ人の声、ゴリゴリのビート、なぜかDJセットをスクラッチしまくるおじいちゃん猿、クランキーの姿は、かなり刺激的でした。
なぜかみんなソロで踊りだすし...
それで皆んなめちゃめちゃ身体能力高いし...
ゲーム開始数秒で、圧倒的なアメリカ感に、打ちのめされました。
キャラを通して、初めて外国人を見た感覚に陥る
ドンキーコング64に出てくるキャラクターは、日本のゲームに比べ、とても立体的な造形をしていました。
ピンクでファンシーな世界観の日本のカービィーや
前の記事で紹介した、頭身数が少なめで和風のキャラクターが可愛い風来のシレンの世界観で、ぬるま湯に浸かっていた僕には、
彼らはめちゃくちゃにファンキーで、衝撃的で、クールでした。(右後ろの奴のポーズは、小学校の頃によく真似していました。)
なにやら、ゴリゴリしているし、手は長い奴もいるし、口や目がものすごく大きい。
ギンギラ紫や、原色オレンジに青、緑と黄色と茶色、という配色は、当時の僕にはすごく新鮮に映りました。
こいつに至っては、名前は「ファンキーコング」です。
相変わらず口デカイし、後ろのバズーカスゴイし...
こいつは、キャンディーコングというセクシー系のキャラクターです。相変わらず、紫、黄色、ピンク、というどぎつい配色と立体的すぎる造形です。目と胸、でかすぎだろ...
ドンキーコングのおかげで、海外に対しての免疫がついた
その後、小学生になり自分の伯母の知り合いで外国人の方に会うことが何度かありました。
その人たちにはものすごく失礼なのですが、欧米系の方は、日本人より体も大きく、目や口も大きい、さらに顔も日本人と比べすごく立体的です。
そのせいで、大人になっても、同じ人間なのに、必要のない緊張をする人が日本人だと結構いるように感じます。
ただ、僕はドンキーコングである程度海外(アメリカ)の雰囲気、ノリ、造形に慣れていたので、初めて外国人の方に会ってもそこまでびっくりすることはありませんでした。
アルゼンチン出身の、ファンキーコングのような見た目の人が、伯母の家の庭(普通の日本の小さな庭です)で、ワインをぐびぐび飲みながら、ステーキをガンガン焼いていた時も、
「ああ、ファンキーコングみたいでかっこいいなぁ」
と素直に思ったのを覚えています。
また、当時は全く意識してなかったですが、僕は今ではかなりヒップホップを聞きます。しかも、90年代のものが多いです。
こういう感じの雰囲気の曲です。
相変わらず、ソロで踊っています。
日本のヒップホップが嫌い、というわけではないのですが、聞くのはほぼアメリカのヒップホップです。
実は、この趣味に、小さい頃に少なくとも100回は聞いたあのDKラップが影響してるのではないか、と今では思っています。
ドンキーコングでアメリカ人と懐かしめた
僕は、高校留学した後に海外の友人が結構できて、今ではよく一緒に遊んだりするのですが、
その時、国によっては日本人同士ならできる、「ああ、あんなのあったよね、懐かしいね」やという内輪ネタ的な会話や、いわゆる「あるあるネタ」が成立しないことに、以前はフラストレーションを感じていました。
そんな中、アメリカ人の友人と、ふと子供の頃に熱中していたものの話になり、多くのテーマが共有できなかった中、
「Donkey kong知ってる?」という話題になり、
自分:「ああ、あの手の長いサルとか出てくるNintendo 64の!!」
外国人:「イェーア!」
二人:「DK!! WOOOW!! DONKEY! KONG!!」
という風に、意気投合することができました。
海外に長くいた人ならわかる感覚だと思うのですが、日本国内で毎日のように、
「日本のアニメ文化は世界で注目されている!日本はすごい!!」
と言われているほど、一般の人までアニメや日本文化は浸透していません。(かなりコアなオタク層、コスプレフェスに来る方々には通じますが、普通のアメリカ人やドイツ人は、そこまで日本の文化に詳しくないです)
その中で、そもそもアメリカ生まれのドンキーコング64のようなゲームは、オタクではない普通のアメリカ人もやっていた人が多く、今でもたまに話題になります。
社会的な背景
この記事で、アメリカの話が多く出て来るのは、僕が特別アメリカびいきな訳ではありません。
恐らく戦後日本とアメリカの関係の中で、他の国よりもかなり密な貿易関係があり、その一環としてゲームや音楽などのポップカルチャーの輸出入も盛んだったのだな、と24歳になった今では振り返ります。
僕の体感値でも、ヨーロッパ、中東の人よりも、アメリカ、メキシコ、カナダなど、北米・中米の人の方がよりドンキーコングやポケモンなどの日本文化にも詳しい人が多いです。
トヨタがアメリカで焼き討ちにあった、など、貿易摩擦などでネガティブに捉えられることが多い日米の貿易関係ですが、ポップカルチャー、という面で見た場合、僕のようにポップカルチャーを通して、アメリカ文化への免疫がつき、海外に飛び出していけるようになった人もいると思います。(もちろん、それだけが原因ではないですが。)
ドンキーコングは、無意識のうちに僕の今の海外留学を下支えしていたと言えると思います。
ありがとう、コングたち。
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