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面倒だけど全力で向き合ってくれる、僕の美容師さんについて

一年半くらい前、ドレッドヘアーにしようと思ってからからお世話になっている美容師さんについて書く。
いつも、僕は彼女をまつさんと呼んでいるので、以下まつさんで書く。
まつさんと最初に出会った時、

「ちょっと、藤井さんが本当にドレッド似合うか見極めたいから、まずはパーマかけながらお話してもいい?」

と言われて、その時僕は「ああ、この人は信頼できるな」と思った。
僕はそこに、プロとしてのプライドと、人に全力で向き合いたいという誠実さと、その人の魅力を上げたい、という気持ちを感じたからだ。
その後、6時間くらい、
・なんでドレッドにしようと思ったのか
・今まで何をしてきたのか、何に熱中してきたのか
・音楽は何が好きなのか
・今付き合ってる人はいるか
・仕事は何しているのか
みたいな、僕の人間性に迫る色々なことを話した。
それぞれの話で、「それってどういうこと?」、「さっき言った話とはこれ違ってるけど、どういうこと?」と、めちゃめちゃ質問が来るし、まつさんの意見も飛び出てくる。
人によっては、まつさんの人へのこの接し方は、
「面倒くさいな、言ったとおりにやってくれよ」と思ったり、
「なんでこの人はこんなに入り込んでくるんだ」とか、
「なんか、分析されてるみたい」
と思うのかもしれない。(僕も、たま〜に面倒くさくて疲れる)

でも、ぼくはこの面倒くさいやり取りが好きだ。

僕が一回、ドレッドを銀色にしたい、と言ったとき、

「私は、藤井さんの魅力はジェントルマンでクリエイティブなところだと思ってて、そのイメージとシルバーは少し違うんじゃない?」

という意見をもらった。
多くの美容師さんは、言ってしまえば他人であるお客さんの人間性にまで踏み込んだ提案はしないと思う。
その人が求めているカッコいい髪型を作ったら、それでオッケーだし、その付き合い方も僕はアリだと思う。
でも、彼女は、髪をデザインするということを一つのツールにしながら、今向き合ってるお客さんの人間的魅力を上げることを仕事にしていて、なので必然的にとてもよく人を見ているのだと思う。

まつさんは、よく色々なセミナーに行ったり、新しい食品や美容法を試していて、それを自分でいいと思ったら、お客さんにも共有している。
まつさんのところに行くと、たまにそういった新しい健康法の実験台にされることがある。
効いてるもの、効かないものもあるのだろうが、少なくとも僕は彼女との心の通ったやり取り、彼女の思いやりで、髪がさっぱりする以上に心が元気になって、また彼女のところに来たくなる。

まつさんは、よく予約時間から作業開始を遅らせてくれ、と連絡してくる。
僕は、嫌な気持ちはしない。(そもそもまつさんのところに行くときは、できるだけ次の予定を入れないようにしている)
彼女が前のお客さんに全力で向き合った結果、時間がオーバーしてしまったというのを知っているからだ。

「ちょっと、ご飯食べてからやってもいい?」
「ちょっと、ヨガをやってから開始でもいい?」

こういうのもよくある。
けど、全て彼女が納得の行く仕事をするため、一人ひとりのお客さんに誠実に向き合うために必要なこと、というのを僕は知っているので、嫌な気持ちはしない。
たまに予定が入っているときは面倒だな、と思うけど。笑

自分に誠実なので、作品を作っている、という意識でお客さんの髪型を作っているし、
誠実にお客さんと向き合っているので、お客さんの要求をそのまま鵜呑みにはしないし、
自分の心に誠実なので、正直で、その人格に魅力を感じた人が集まるし、
自分の仕事に対して誠実なので、枠組みに囚われず、必要だと思ったことはすぐに取り入れる。

その誠実さは、たまに面倒くささにもなる。
お互いの言葉が理解できずに、それをウヤムヤにしたくないまつさんが詰めていって、言い合いになったこともある。
でも、今の世の中、そういう面倒臭さの先にある信頼関係がもっと見直されてもいいんじゃないかな、とまつさんと接していると思う。

ドレッドヘアーを続けようが、やめようが、ぼくはまつさんにお世話になると思う。

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