【詩リーズ20】「空手」

空手

いたたまれなくなった
人といる時にタバコがなくて

いたたまれなくなった
宴の席で酒がなくて

手持ち無沙汰ってヤツだ
なんとも心もとないのだ
間が持てないのだ

酒を飲んでた時や呑まれてた時は
自席にふたつのグラスを常駐させたりして
それは安定剤であり　コックピットのようでもあった
操縦できてもいない人生を謳歌しているつもりだった

でもいまはもうない　もう手持ちでない
その手にもうそんなものを持っているなという思し召しか
何か別のものを手に持つために空けておけと

それがなんなのか　まだよく分かってないけれど
だいたいの察しはついている