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医療機関ブランディングは、一般的なブランディングとは違う
ブランディングの手法としては、一目でそのブランドだとわかりやすいよう、印象的なロゴマークを作ったり、ブランドカラーを決めて広告したりする方法があります。こうして多くの目に触れさせることによって認知を広げ、ブランドを確固たるものにしていきます。
では、医療機関のブランディングも同じように進められるのでしょうか?例えばA病院をブランディングするとき、テーマカラーやロゴを決めてそれを徹底的に周知していけば集患や採用が成功するのでしょうか?
確かにある程度効果は期待できるかもしれません。しかし、医療機関の場合はそれだけでは不十分です。なぜなら、ロゴが美しくテーマカラーが鮮やかだったとしても、自分が希望する治療を受けられる病院なのか、満足できる病院なのかが一切わからないからです。医療機関のブランディングにとって必要不可欠なのは「情報の収集、情報の創生、情報の発信」なのです。
情報の収集・情報の創生・情報の発信とは
そもそも、情報の収集・創生・発信は、「目的」が必須です。「目的」が無いと何のためにその情報を取り扱うのかがわからなくなります。 医療機関での主な目的はこの本の題名にもなっている「求人」・「集患」が主でが、実はもう少し具体的に考えることが必要となります。
求人であれば、医師なのか、看護師なのか、コメディカルなのか、事務系なのか。集患であれば、対象が、喘息の患者さんなのか、糖尿病の患者さんなのか、生活習慣病全般なのか、リウマチの患者さんなのか、婦人科の患者さんなのか、など、より具体的に目標を達成したい部分を明確化することがとても重要です。
その目的に対して、情報の収集・創生・発信を行っていきます。もちろん、目的が少し違っていても同じような情報の取り扱いをすることも出てくる場合もあります。
例えば、求人目的で消化器外科の医師を集めたい場合と、集患目的で地域の他の医療機関から消化器外科の患者さんを紹介頂きたい場合などです。両方とも訴えかける対象が医師や地域連携室などの医療知識のある方で、消化器外科のスペシャリストのイメージを出したいという方向性を付けることが出来れば、一つのWebサイトで両方の効果を出すことが出来る可能性があります。