医療機関の評判が可視化され、診療圏が拡大する。
医療機関の評判が可視化されると、「通いやすくて評判がいまいちの病院と、片道1時間かけてでも評判がよい病院」を選べるようになります。こうして診療圏は拡大し、同時に医療機関同士の競争が激化していきました。
この動きにいち早く気づいた医療機関は、Webサイトの充実や広告宣伝活動に力を入れ始めます。そしてさらに医療機関の情報が拡散されるようになり、遠方から「この先生の治療を受けたい」といって患者が集まるという現象が当たり前のものになっていったのです。
この動きにはプラスの面もあればマイナスの面もありました。医療機関の透明化が進んだことで求める人に情報が届きやすくなった反面、インターネット上で過剰な宣伝をして患者を集める行為が生まれだしたのです。これがガイドラインの厳格化に繋がっていることは、医療業界にいる人にとっては周知の事実でしょう。
ただ、こうした動きの中で、情報の扱いやWebサイトの重要性、広告戦略をしっかり考えている医療機関とそうでない医療機関に二極化しています。
これは、レストランで例えるとイメージしやすいのではないでしょうか。
「このレストランは新鮮な材料を使っている」「味が美味しい」「接客が丁寧だ」という口コミが多数掲載されていて、かつWebサイトにも「シェフのこだわり」「使用している材料について」などの知りたい情報がたくさん載っているレストランと、口コミもない、Webサイトもない、あったとしても住所やレストランの名前や電話番号、営業時間のみというレストランが隣り合わせであったとしたら、あなたはどちらに入りたいと思いますか?
大切な人がレストランを探しているとして、あなたはどちらのレストランを紹介したいと思いますか?
答えは明白でしょう。医療機関においても同じことが起き始めています。私が話を聞く医師の中には「当院を受診してもらえれば、当院の良さが患者さんに理解してもらえる」「地域に根付いている為、この地域の患者さんは当院のことを理解している」、だから「広告は最低限で良く、Webサイトの戦略は必要ない」とおっしゃる方がいます。しかし、問題は「どうやって来てもらうのか?」なのです。来てもらってからではなく、来てもらうまでの戦略をどう立てるのかが重要なのです。ここを理解しなければ、今の激動の時代を乗り切ることは難しいと私は考えています。
競争が激化している今の時代で他者に後れを取らず、勝ちにいくためには何が必要なのでしょうか。実は、そのための大きな武器となるのがブランディングです。
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