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欧州最大規模のテクノロジー見本市「IFA」の100周年を視察してきた。 ①プレスデーで注目されていたのは?

こんにちは。Dentsu Lab Tokyo なかのかなです。
ラボではR&Dの「R=Research」活動の一環として、国内外の展示会や学会での視察を行っています。今回は、毎年9月初旬にドイツ ベルリンで開催される欧州最大規模の家電見本市「IFA(イーファ)」にやって来ました。

今年で100周年を迎えたIFA。名前の由来はドイツ語の「Internationale Funkausstellung(英語でInternational Radio Exibition)」で、元々はラジオの展示会としてスタートしています。徐々に家電製品が加わっていき、ドイツで初のカラーテレビ放送、初のウォークマン、初の有機ELテレビの発表の場にもなりました。

現在ではライフスタイルに影響を与えるテクノロジー全般を取り扱っており、今年、ロゴと共にIFAの意味も「Innovation For All」に刷新されました。デザインテーマに使用されている色は先述したカラーテレビのテストパターンをイメージしているそうです。

プレスカンファレンスの初日となる9月4日には、運営団体IFA Management GmbHによるオープニングが行われました。

IFAは現在、gfu Consumer & Home Electronics (gfuコンシューマー&ホームエレクトロニクス)とイベント会社のClarion Events Ltd(クラリオン・イベンツ社)の共同運営。

CEOのLeif Lindner氏は、100周年の歩みを振り返ったのち、今年の注目すべきトピックとして「AI」「サステナビリティ」「デジタル・ヘルス」を挙げていました。AIはすでにスマートフォンで写真を編集したり、受信ボックスをスパムメールから守ったり、洗濯物をよりきれいにする手助けをしてくれているような生活の中で身近な存在となっており、サステナビリティやデジタルヘルスの実現をサポートしている様子が展示会場で見られるとのこと。

実際に、同日に開催されていた企業別のカンファレンスの中で、Mieleが衣類の傷みを軽減する洗濯機を発表していたのですが、内部のハニカム構造に加えて、AIによる独自のリズムで回転させることで洗浄の効率性を高め、これまで衣類にダメージを与えていたドラム内部のリブをなくすことができた。とのことで、衣類の長持ちや洗剤の使いすぎ防止などの持続可能性につながる生活が、確かにAIによって実現されつつあるのだなと感じました。

ドイツの家電メーカーMieleは今年で125周年

翌日の企業別カンファレンスではSAMSUNGが、先日買収が完了したフランスの医療用超音波AIスタートアップのSonioの可能性について、また、7月に発表したGalaxy Ringや周辺機器との連携によるデジタル・ヘルスの広がりについて発表していました。同社の調査によると、モバイルAIを頻繁に利用する人は、ほとんど利用しない人に比べて、QOLが高いと申告する率が約1.4倍高いそうです。

SAMSUNGプレスカンファレンスでのSonioの紹介画像

オープニングでは、さらに、パンデミック中に需要が高まった「ホームエンターテイメント」と「ゲーム」についても注目のトピックとして紹介しており、最新のテレビだけではなく、昔ながらのレコードなども含めたイマーシブ体験が求められていると指摘していました。

次回レポートでは、プレスデーに加えて展示会場で注目されていたテクノロジーやテーマについてお伝えします。


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