保険証枝番の温度差
保険証というのは、その昔は、世帯単位で一つ発行されるものでした。
家族で保険証が一枚しか無かったので、医療機関での保険証を出すのも月に一回で良しとされていました。
保険証を一人一人が持つようになった今は、規則では通院のたびに受付で保保険証を確認しないといけない扱いですが、以前からの「月に一回」の習慣は根強く残っていて、保険証がマイナンバーカードに置き換わったとしても、毎回確認のルールが定着するには長い時間が必要でしょう。
そのうち、技術が進んで、顔認証などで、医療機関に入ると同時に保険証資格が確認される時代になるかもしれません。
さて、保険証は各個人一人1枚ずつ持っているものの、制度的には世帯単位で運用されています。
保険証に書いてある内容のうち、番号は家族みんな同じでした。
年金で問題になったように、個人を名前で区別するのは、漢字が難しかったり、読み仮名が分からなかったりして、電子処理するのには全く不向きです。そこで、同じ世帯でも、人が違えば番号も違うようにしようと編み出されたのが、2桁の枝番です。
この枝番。
導入された直後は、運用もそんなに厳しくありませんでした。
当時、私は紙レセプトでしたが、枝番が抜けていても、特にとがめられることもなく静かなものでした。
そもそも、国保は毎年一回、保険証の更新がありますが、社保の保険証は決まった期間で更新されるわけではないので、枝番が記載された保険証は多くありません。
それでも、国保の保険証に枝番が記載されるようになってしばらく経った後、
自分的には突然な感じで、国保から電話があって、
「レセプトに枝番が書いてありませんが、どういうことですか?」と言う内容のお叱りを受けました。
その月を境に、枝番を記載していないレセプトは受け付けない扱いになったなっていたみたいです。
片方の社保は枝番については寛容なのに、国保は厳格に運用されるなんて、それこそ「どういうことですか?」と思いましたよ。
オンライン請求になって、毎月の関係帳票も、電子ファイルで届けられるようになりました。
紙で送られている時は、封筒を破けば中の書類も自然に目に入りますが、電子的に送られたフォルダに、似たような名前のファイルがたくさん並んでいると、開くのを躊躇します。この一見しただけでは中身が分からないのは、確認作業が遅れる原因になります。せめてファイル名を分かりやすい名前にできないのですかね。ファイル名に日本語が混じれば、セキュリティ的にも、ちょっとだけ有利な気がします。
そんな開かないと中身が分からない一群のファイルの中に、「枝番が漏れていた患者一覧」というのがありました。ていねいに、枝番を教えてくれています。
これって、教えてくれているというよりも、「次から同じ患者さんの枝番が漏れていたら返戻だからな!」という警告とも受け取れます。
このファイルを読み込んで、患者原簿の各個人データに枝番を追加する機能をレセコンに追加しないといけません。
着手から完成まで、どれぐらいかかるか、いっぺん時間を計ってみたいと思います。