いま、通話内容のテキスト化にニーズが集まる理由とは?
若い方は驚かれるかもしれませんが、古くからテープの文字起こしという仕事がありました。
音声や映像を再生し、流れる言葉を文字情報と記録する単純作業です。
テレワークや在宅勤務が浸透していない時代には、出勤してタイムカードを押す仕事が当たり前だったため、家に居ながらでもできるお小遣い稼ぎとして人気の内職のひとつでした。
さて、最近ではスマートフォンでも人間の音声を理解し、会話や質問を行うこともありふれたものになりつつあります。
近年ではテキスト化技術の精度も驚くほど向上していますが、テープや動画からの音声聞き起こしの仕事は根強く残っています。
クラウドワークスなどのクラウドソーシングサービスで検索してみても、数件はヒットします。
数千円~1万円前後と高単価の仕事とは言えませんが、データとして扱いにくい情報をテキストに打ち換えることで、利用価値は高まると考える企業がいることの証です。
音声を録音、テキスト化する技術は我々の生活を豊かにしてくれます。
データ活用に注目が集まる中で、会話や通話の中には重要なニーズやサービスのヒントが眠っていると考えられ、実際に通話内容を録音したい、テキスト化したいというお問い合わせが多く寄せられています。
ではどのような活用を目指して、通話内容のテキスト化を利用されているのでしょうか。
興味深いことに、導入が進んでいる事業者の業種や立場の顔ぶれもバラエティに飛んでいて求める効果もそれぞれです。
テキスト化を利用中の事業者に直接お話を伺いましたのでご紹介いたします。
◆アフィリエイト事業者でのニーズ
WEBでの申し込みや購入が手軽で相性がいいという商材は多く存在しますが、一方で電話での問い合わせが起こりやすい商品というのも世の中には存在します。
想像してみると、納得しやすいと思います。
例えばあなたが冬に、鍵を紛失して家に入れなかったとしましょう。寒さをしのぐあてもなく急いで鍵を開けてほしい。
そんな時は、いくらネットが便利でもまずは対応可能な業者を探すために電話で問合せするのではないでしょうか。
このように、SNSやメールや、問い合わせフォームが発達しても反射的にまず電話をかけようと考えるシチュエーションはあります。
アフィリエイトサービスには、成果の承認条件というのが存在し条件を満たしたときに広告を発信したアフィリエイターへ成果金額が支払われます。
WEBの申し込みは、成果をトラッキングしやすいのですが電話で成果をしっかり追うには少し工夫が必要です。
決められた秒数の通話が発生したとき、ガイダンスの音声に従い該当するボタン操作がユーザーの手で行われたときなどが条件として採用されるケースは多いですが高単価商材などは比例して成果の払い出し金額も高く設定されていることが多く、支払いを行う広告主も最終的な成約を成果地点に設定することがあります。
この時、会話の中で注文行為が行われたことを見届けるには録音内容を聞けば判断がつきます。
しかし、すべてを聞くには膨大な労力が伴うため、気になるもの、グレーなものなどにあたりを付けて確かめることができると便利です。
このようにアフィリエイト事業者では成果承認のエビデンスとして活用したいという明確な目的をお持ちだったようです。
◆メディアや媒体の運営でのニーズ
物件検索サイトや、グルメサイト、習い事検索サイトなど、広告主の情報を集めてユーザーに多くの情報を比較しやすい形で届けるメディア、媒体でもテキスト化のニーズが寄せられています。
複数の教室を紹介している教育系の検索サイトでは、問い合わせからの体験学習申し込みや資料請求をひとつのコンバージョン(成果)としています。
複数の広告主がいる中で、事業者によってコンバージョン率が異なります。
その差は、対応の問題か、接客力の違いからくるものか、それ以外に要因があるのか。
会話の中身を分析することで、ひいてはユーザーが習い事を決めるときのポイントも見えてくるかもしれません。
顧客を知ることが、サービス力の強化につながると考えているビジネスオーナーは多いはずです。
また、店舗を紹介しているペット関係の検索サイトではユーザーが問合せを行った時の対応や、掲載内容と異なる案内をしていないかなどのチェックをしています。
虚偽情報や、掲載情報とかけ離れた紹介をしているようでは検索サイト側も評判を落とすことになりかねません。
サービスの品質を担保する目的にもテキスト化は役立てられているようです。