
わが街の伝統産業 群馬県・甘楽町
第108回 群馬県甘楽町 ~織田信長公の次男・信雄公が治めた小幡の城下町は富岡製糸場の建設に由来する福島瓦の街
群馬県甘楽町。県の西南部に位置し、人口が約12,000人。新幹線・高崎駅から上信電鉄に乗って上州福島駅まで約30分。群馬県はこんにゃくの生産で全国シェア90%を占める一大産地ですが、この上州福島駅から車で10分ほどのところに『こんにゃくパーク』があります。
『こんにゃくパーク』では、「板こんにゃく」や「しらたき」「ゼリー」という3つの製造ラインがあり、無料で工場見学ができます。また、こんにゃくの無料バイキングや手作り体験もでき、親子で楽しめるテーマパークです。
その甘楽町の伝統産業が瓦産業(福島瓦)。日本三大瓦の産地として、「三州瓦(愛知県)」「石州瓦(島根県)」「淡路瓦(兵庫県淡路島)」があります。甘楽町の福島瓦はその陰に隠れた知る人ぞ知る瓦の産地です。あの世界遺産に登録された富岡製糸場(群馬県富岡市)遺産群の瓦屋根の修繕も手掛けています。
福島瓦のはじまりはその富岡製糸場に由来します。製糸場の建設にあたり、煉瓦を輸入に頼らずに現地で製造していきました。この製糸場の建設工事によって、福島瓦は地域の特産品となり、地場産業として発展していきました。
福島瓦の特徴は「だるま窯」で作られていることにあります。「だるま窯」とはいぶし瓦を作る土の窯のことで、全国でも数少ない「だるま窯」によって手間暇かけて作られた瓦は力強く、かつ、瓦の屋根は空が映るといわれるくらい美しさを感じることができます。
富岡製糸場の瓦もすべて「だるま窯」で作られました。また、耐久性にも優れており、30年は持つ逸品です。現在多くの瓦の産地では、機械化が進むものの、福島瓦は日本古来の伝統製法で作ることにこだわっています。その思いをもって、窯に火を入れ、伝統文化や技術の維持を図っています。
最後に、甘楽町ゆかりに人物に織田信雄公がいます。あの織田信長公の次男です。信雄公を初代をとして8代にわたり約150年続きました。信雄公が治めた小幡藩は城下町の風情が感じられ、『こんにゃくパーク』の近くには、群馬県で唯一、存在する大名庭園・楽山園があります。池泉回遊式の庭園の原型が残されており、当時の格式の高さが偲ばれる名所でもあります。
提供:伝統産業ドットコム
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