ぼくのかんがえるさいきょうのはいしゃ1
どうも勤務歯科医師のかずぴんです
今回、ちょい人生の休暇をいただき、一人で満喫にこもり雑文駄文を書いているところです。
今の歯科医療業界は、一部の成功者以外は(何をもって成功とするかはいろいろあると思います。金を稼ぐことに成功、技術到達をとことん追求する)います。でも、歯科医療従事者に限らず、ですけど労働者は最低限の生活は保たれていないとだめです。
爪に火を点す生活をしながら充実した歯科医師ライフはおくれないわけです。
今の歯科業界に対する私見を述べます。まず現状の医療全体の問題から
多くの先生にとって、保険診療が生活の糧となっていると思います。かくいう私も、行う診療の90%くらいは保険診療ですね。むしろインセンティブなしの固定給なんで、自費診療を積極的には行わないのです。
歯科医療業界に占める医療費の割合ってのは
古いですけど、流れはこんなもんです。まあ、めちゃ低いわけです。詳しくは厚生労働省のHPをご参照ください。保険診療において、ですけど。
都市部だと歯科医師数は飽和状態で、少ない患者数のパイをとりあうような状況だとも聞きます。そして抑制された歯科医療費のため、少なくない歯科医師が収入を得るため自費診療を推し進めるモデルになってしまうと推測されます。
で、わたしは考えましたよ
今の状態
1処置に対する十分な保険点数の設定がなされておらず、保険診療は薄利多売に陥りやすい。点数が低いから高速で患者をまわしまくり、保険診療ではとにかく数で稼ぐしかない
2それではきついから、比較的利益率の良い自費診療を取り入れざるをえない状況に陥る。(それは、医院のためスタッフのため経営を維持し患者に医療を提供し続けるためでもあります)
3利益をえるため、稼働高を上げるのは限界だから、経費削減と、なります。材料を節約する、のはまあ、妥当でしょう。次に削れるところは、というと、家賃や借金の返済は、待ったなしですから、次に目をつける固定費といえば、人件費、外注費です。
4衛生士さんの人件費を抑えにかかります。でも衛生士さんは、医院に固定の人材ですし、辞められると医院が回らなくなりますから。。。とすると技工委託費が狙われます
5技工士は医院の側から、どこに発注するか選べますから(最近は海外で安く技工物を作る業者さんもいる、らしい。。。)技工士さんに価格交渉、納期の交渉できちゃうわけですね
「おたく以外に仕事頼んでもいいんだよ??ん??もちろん安くしてくれるんでしょ?」と。
6技工士は仕事もらえないと生活できない、安く早く作る、という厳しい条件を受け入れざるを得ない。本来はあってはならない構造ですが、歯科医師の下請け的位置に考えられることが多いのです。
7技工士の労働環境が悪化し、まあ3K。技工士業界が衰退します。後継者はいなくなりますね。で、ますます高齢化が進み、技工士の労働環境が悪くなり、技工物の質が落ちます
8結果、歯科医師の補綴治療の質も低下していく。。。
9歯科医療全体の質の低下
とはならないでしょうか。
以上、今の問題について考えてみました。何が悪いって、歯科医師そのものが悪ではないと思います。そうしないと生きていけない、というのが悪いんです。
当然ですが、このビジネスモデルそのものがダメ、ですね。健全とは言えないわけです。
なにより歯科医療の衰退は患者さんにとって不利益でしかないです。
私見でした。