歯医者の風景

ファンクショナルトゥース/バランシングトゥース③

どうも勤務歯科医師のかずぴんです。

本稿も前回の続き、

義歯の写真を提示し、主訴を改善するための調整方法を問うた。

歯科医師の皆様には平易な問題であったろうか。

今回は、筆者なりの答えを書いてみたい。

まず、これが、示した写真である、ここから、私が行った義歯調整の実際を示す。

新製直後であるが、義歯の着色が生じ、しかも右側にのみ着色が付着していることに着目したい。これは患者の義歯の使い方をしめすオーラルヒストリーが表れている。つまり、右側は咀嚼に使用していないと考えることができる。

実は、ここで後出しになるが、残存歯が1歯のみであり、患者の習慣性咀嚼側は左側である。後に患者に聴取したが、患者自身も自覚があり左側咀嚼であった。

習慣性咀嚼側を把握する事が、正解を得る近道である。

どうであっただろうか。

いろいろなオーラルヒストリーを考えることができる。

ここでは、患者の特異な部分で咀嚼を行える環境を作るという観点で対応し、良好な結果を得ることができた。もちろんいくつかある正解の一つにすぎず、ほかにも対応方法があろう。

疼痛部位の削除のみであっても除痛は達成できるかもしれないが、患者固有の習慣性咀嚼側を考えることでより質の高い義歯調整を行うことができると考える。

次回も義歯症例をもう1例示す。


では、


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