歯は口の中で動きます!!~意図しない方向へ歯が動いたケース~
どうも勤務歯科医師のかずぴんです。
今日も、歯科の話です。
表題の通り、歯が動く、これが歯科の当たり前だ、ってことを今日は話ます。
歯が動くことを知らない一般の方も写真だけでもご覧いただければうれしいです。
では
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ある、重度歯周病歯牙に対して、分割抜歯を行った症例を示す。
以下は術前後でのデンタルの比較である。ご覧の通り、患歯は左下7であり、近心根に限局した高度骨吸収を認め介入した。
分割抜歯後に、明らかな歯根の傾斜移動を確認できる。
術前の骨吸収から、子の移動方向は予見できただろうか。
私は、当時恥ずかしながら、遠心根は、左下7近心の病変から逃れる反応として遠心移動すると予測していた。
しかし、術後、
歯根は近心に傾斜移動をした。
以下、術前の画像も示し、考察を加えていく。
これが術前のパノラマである。
歯周検査において、近心のポケット10mm、動揺度2
であり、長期予後は限りなく不良であると思われる。
術前は、患者の希望もあり姑息的にメンテナンスでの咬調、ポケット洗浄などで管理する方針であったが、動揺が次第に悪化し、再協議の結果治療介入の同意を得て分割抜歯にて可及的に歯根を温存することを第一方針とした。
なお、対合関係は左上7はすでに欠損歯であり、座位での閉口による咬合接触は左下6までである。
これが、当時の自分の書いたものである。
次いで
考察は、こうである。
治療の実際は、分割抜歯前に根管治療を終え、分割抜歯施術。十分な治癒期間を置いた後、最終補綴として左下⑥7⑦のブリッジを選択した。
ぶこれは、セット直前の口腔内画像である。歯肉に炎症所見もなく、歯周ポケットは4mm以下であり、経過は良好と判断できると考える。
また、私の日常の通法に従い、
左下6の形成は天然歯での咬合接触を温存し、患者に説明同意の上
無麻酔下に支台歯形成を行うことが可能であった
以下セット後の口腔内写真である
現在も、SPTにて口腔な管理を行っている。
やや高齢な患者であるが、清掃状態も大幅に改善され治療にも協力的である。
結論
歯牙移動は、咬合トラブルからの治癒過程では避けられないものであり、炎症による骨吸収の形態を精査することで、歯牙移動の方向、速度、移動量おある程度推定することができる。
また、移動方向は、歯牙もしくは、歯根単位で歯槽骨を平坦化する方向(本症例では遠心根単独で判断する、歯槽骨形態を勘案すると遠心根の遠心側において大きな垂直性骨吸収を〈画像からは判断しにくいが。。。〉認めるため遠心の骨吸収から逃れる方向即ち近心に傾斜したと考えられる。)
ご覧いただきありがとうございました。
歯科医師の皆様のご参考になれば幸いです。