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【歯科医師】 見学で好印象を狙おう!

歯科医師の場合、就職に至るまでに、「面接」はもちろんですが、「見学」もセットで考えられる場合が多いです。一般企業の就職活動とは少し違うところかもしれません。ここでは、「見学」について経験談をもとにお話をさせて頂きます。


■ 「面接」なしの「見学」だけ ■

最近、「見学だけしたい」という方が結構おられます。特に新卒(臨床研修明け)の初めての就活の方に多いようです。おそらく、紹介会社が「履歴書不要、見学だけでもOK」といったキャッチで手軽に歯科医院を見に行って頂こうという趣旨のもとに企画をしたことによってこういう就活の方が増えたのではないかと思っています。

以前、「見学だけ行きたい」と言われた先生に理由を聞いたところ、

・ 個人情報を出来るだけ知られたくない
・ 面接をしてしまうと、断れなくなるのではないか

このようなことを心配されていました。

では、どういう手順で就活をしようと考えているのですか?と聞いたところ、「いくつか見学をして、その中で良かったところにもう一度面接をお願いして面接に行きたい」という答えが返ってきました。もちろん、就活の方法は色々とあるので、個人の気持ちややり方を最優先させて頂くため、私もその方法で寄り添いながら進めさせて頂きました。

この先生は、秋ごろから就職活動をスタートされたと記憶しています。私がご提案した医院をすべて見学したいと言われ、私も医院にアポの調整をして見学に同行させて頂きました。たぶん、5~10個は見学に同行したと思います。また私の提案以外にも先輩から紹介されたとか、自分で求人サイトで探したという歯科医院にも見学に行かれていたようです。

年末くらいに、「先生、どうですか?」と確認したところ、「もう疲れてきました。どこの医院もいいとこもあるし、ちょっと気になるところもあるし、もうどこがいいのかわからなくなってきました」と言われたため、そこからは私のやり方で進めさせて頂き、就職先の医院が決まりました。

「見学」だけというのを私はお勧めしていません。その理由は、

1. すぐ近くに院長がおられるのに、話もしないで見学するのは勿体ない。
2. 院長の話を聞いていろいろなことを教えてもらわないと、本当のところ
    が見えてこない。
3. 2度手間になる上に、さんざん悩んで1院に絞り込んでも医院は「面接」
   を希望しない場合もある。

他にもありますが、大きな理由は、この3つでしょうか。

というのは、せっかく時間を取って、リクルートスーツを着用して医院に出向いているのに、院長とも話をせずにただ立って治療の見学や院内の見学をするというのは時間の無駄と思うのですが如何でしょうか?

「面接」という時間を取って話をし、お互いの事を知り、少し親密になって、「見学」をするからこそ、院長も親近感を感じて色々教えてもくれるのです。求職者も院長やスタッフの温かさに触れてこそ、院内の雰囲気などが伝わてくるのです。

どこの誰かもわからない、どこの大学出身かも知らない人が来て、見学をさせて欲しいと言ってるから、受け入れました、どうぞ見て下さいでは、どう声掛けすればいいのかもわからないまま、お互い能面状態で時間が過ぎることでしょう。

面接をして出身大学がわかれば、
「勤務医のこの先生と同じ大学だよ!」
「あ、○○大学だったら、あの人知ってる?」
といった会話が生まれ、親近感が生まれてくるのです。

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もう一つ大きなポイントは、「見学」してもらうのはいいけど、「採用」は考えていないよという場合もあるのです。もうすでに採用人数に達している場合もありますし、もしかしたら、「見学」をしに来た求職者の態度で採用をする気はないと思われているかもしれません。
もしくは、あなたが、まずは見学だけと思って10軒の歯科医院を見学して、「あ~、最初の歯科医院に面接に行ってみようかな」と思った時には他の方が採用になってしまって定員に達してしまっている場合もあります。

求職者の方が、大きく間違っている点が1点あります。それは「自分が行きたい歯科医院を探しているのであって、それが見つかれば採用になる」と勝手に思い込んでいるのではないでしょうか?

悩んで、悩んで、悩んで、どの歯科医院にしようか皆さん決められるのですが、その前に歯科医院はあなたを採用すると言っているのですか?という事です。

これで「面接なしの見学だけ」が意味のないことはわかって頂けましたでしょうか?

それと・・・「見学だけ」はお断りの歯科医院もあります。自分がどこの誰かも伝えていないのに、他所の家に入っていって、見て回るという状況ですから、私が院長ならお断りすると思います。

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■ 面接と見学って同じ日にするの? ■

色々なパターンがあります。

1. 面接だけを行い、見学は後日
2. 面接の前後どちらかに「見学」の時間を設ける
3. 見学をしたいかどうかは求職者にお任せ

最近では大きな医療法人が増えており、面接は事務所の方で行い、第一面接を通過した人は、次のステップとして医院の見学をするというところも増えてはいます。

ただ、求職者としてはどのようなところで働くのかわからないのに、ここに就職しようと心を決めることは出来ないと思います。なので、可能であれば「面接」と「見学」を同日に済ませてしまう方が良いのかなと思います。

医院の方から「見学もされますか?」と聞かれた場合は、是非「見学」もすることをお勧めします。


■ 見学の時間 ■

「見学ってどのくらいの時間すればいいのですか?」と求職者の先生から聞かれることがあります。

医院が、面接から見学までのタイムスケジュールをしっかり決めて、「終了時間は何時を予定しています。」と言われる歯科医院もあります。事務長や採用担当者がおられる歯科医院であればこのあたりのことはマニュアル化されているようなので、安心してそれに従えばいいでしょう。万が一、次の予定などがある場合は、事前にその旨をお伝えして、スケジュールを組んで頂く必要があります。当日になって、「〇〇時には帰りたいのですが」というようなことを伝えるとスケジュールが狂ってしまうため、心象を悪くする可能性があります。

結構厄介なのは、すべて院長がされており、「見学は好きなだけ見てていいよ」と言われた場合です。

午前中に見学をして、お昼休みに面接という順番であれば、必然的にタイムスケジュールがわかるのですが、お昼に面接をして午後から見学という場合は、いつ終わればいいのかわからないため帰れないという状況に陥ってしまいます。特に、院長が午後診から夕方にかけて、どんどん患者さんが増えるため、「帰ります」という一声がかけられなくなるのです。

なので、私は、見学の時間は自分で最初から決めることをお薦めしています。

「〇時まで見学させて頂きます」
「〇時になったら一声かけさせて頂きますが、お忙しいようでしたら、そのまま失礼させて頂きます」

と、一旦、ご挨拶まで終わらせておけば、もし院長が忙しくて挨拶できない場合でも、目くばせだけで失礼することができますし、そのくらいの時間になれば院長がもう一度挨拶に来てくれる場合もあります。

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見学の時間に関してですが、私はだいたい1時間半くらいを目安にいつも設定しています。あまりに短すぎても、やる気がないように思われますし、緊張している状態で長すぎても体力を消耗すると思います。
以前、見学をされた先生に「1時間半でどうでしたか?」と伺ったところ、「丁度良かったです」と言われていました。1時間では少し短い気もするし、2時間だとちょっと疲れるので、1時間半くらいがちょうど良いとのことでしたので、もしどのくらいすればいいのかなと悩まれたときは「1時間半」をお勧めいたします。

以前、小児歯科に興味を持たれていた先生が、午後診療の患者さんのアポを見られて小児の治療がある時間を確認され、この治療まで見学させて下さいと言われたこともありました。 見学に目的とやる気を感じる良い姿勢だと思われます。


■ 見学態度で不採用 ■


「見学」は求職者が「見学」するだけではなく、その医院に勤務している先生やスタッフがあなたを見ているという事を意識して下さい。

実際にあった事例でご説明します。

見学の際に院内の棚や引き出しを勝手に開ける人がいます。院長先生から「勝手に開けてみて下さいね」と言われたのであればOKです。逆に開けて良いと言われているのに、全く開けないと言うのも興味がないのかなと思われてしまいますので、開けて良いと言う許可をもらった時は是非、どのような材料を使っているのかなどを扉を開けて確認してみるといいでしょう。

ただ問題は、何も言われていないのに勝手に開ける人がいます。これは医院側としては気分の良いものではありません、他人の家に行って冷蔵庫を勝手に開けるような印象です。

「開けさせて頂いても宜しいでしょうか?」と確認して下さい。

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壁際に立っていただけだとは思うのですが、壁に頭を持たせかけていたとスタッフが院長に報告して不採用になった先生もおられましたし、見学の際に足を擦りながらダラダラと歩いたことを女性スタッフに注意された見学者もいました。 最近はドクターの採用に関しても院長の独断で合否を決めるのではなく、一緒に働くことになるスタッフの意見を聞く院長も増えています。院長は治療しているから見ていないだろうと思ってはいけません。多くのスタッフがチェックしていますので、要注意です。


見学の際、遠慮がちに遠くから見ている人もいれば、院長の上からかぶりつくように見ている人もいます。治療をしている院長の邪魔になってはいけませんが、少しでも治療の状況を目で見てみたいと思うやる気が感じる態度であれば院長は悪い印象を持たないはずです。逆に遠くで突っ立っているだけの人の方が評価は低いようです。


■ 見学から好条件が出る可能性も・・・ ■

求職者からみた「見学の目的」
  医院の雰囲気や治療状況などを見ることです。

医院側からみた「見学の目的」
  その求職者がどのような態度で見学するか
  スタッフたちと仲良くやっていけそうか
  という事をチェックすることです。

ただ、見学だから息をひそめて立って見ていればいいと考えるのはもったいないです。見学でも高評価を得たいところです。


先ほどもお話しましたが、院長の背中越しに患者さんのお口の中を覗き込もうとかぶりついて見学している方がおられます。
患者さんのチェアーが倒され、目隠しをされたら、ぐっと近づき、チェアーが起こされたら後ろに下がるという配慮のできる人は好印象です。 治療をしている先生に対してというよりも患者さんに対して配慮をしているからです。 こういう気配りはしっかり院長はじめ周りの方は見ているものです。

以前、このようなことがありました。

見学の際に、治療をする院長の手元にうまくライトが当たっていないと気付き、ちょっとライトを動かしたそうです。 そのちょっとした気づきと行動に、院長が大変喜ばれ、是非ともうちで働いて欲しいと、高額な金額提示で採用意思を表明されたことがありました。


面接は以前にもお話しましたが、ちょっとした下準備や練習でそれなりにそつなく完璧にできます。しかし、その後の見学となると、面接の疲れも出てきて、日ごろの態度や本性が見えてくるものです。「見学」もしっかり気合を入れて臨みましょう。

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