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ふと思い出すことには意味がある

昨日、夕食を家族と、祖母と一緒に食べた。
祖母が「そろそろ帰るね」と言ったので、私は家まで送っていった。
祖母はうちのすぐ近くに住んでいる。

自分の家の玄関を出て、先を歩く祖母の後ろ姿を見た瞬間、昔の光景がぶわっと思い浮かんできた。
小さい時、よく祖母と一緒に散歩をしていた。

記憶は確かではないけれど、妹が生まれる時に母が入院している間だったか。
私は一時期祖母の家に預けられていた。
その時に、夕食が終わった後だったと思うけれど、よく二人で散歩に出かけていた。
祖母はそれを"夜の散歩"と名付けていて、その言葉をなぜだかすごく覚えている。
「よるのさんぽ、よるのさんぽ」と二人で言いながら歩いた。
日が落ちて、暗闇が深くなる前の薄暗い時間に、二人でゆっくり歩いた。
どんな話をしたとか、どこを歩いたとかは全く覚えていないのだけれど、"よるのさんぽ"をしていたという事実だけが記憶には残っている。

妹を出産する時に預けられたということは、あまり長い期間ではなかったのかもしれないけれど、私には強く焼き付いている。
昔から祖母に可愛がられ、おばあちゃん子だったからかもしれない。

昨日の夜、そんなことをふと思い出して「今までなんで忘れていたのだろう」と思った。
祖母を家に送り届けた後、ひとりで自分の家の周辺をぐるりと散歩してみた。
夏になる前の、少し涼しい風が気持ち良かった。
思い出したのじゃなくて、奥底にあった記憶が表面に出てきただけなのだろうな。

まだ分からないけれど、こんな風にふと思い出すことは何かしらの意味があるのだと思う。
無意識に自分が記憶の奥底から引っ張り出してきて、「これは今だいじなことなんだよ!」と伝えてきているような。

いつか「あの時に思い出したことはここにつながっていたのか」と答え合わせが出来る日が来るのかもしれない。

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