どんな手順でゲームの企画を考えてる?
こんにちは、ゲームプランナー電子のレンジです。
最近ゲーム配信をYoutubeで初めたので更新頻度が低く、
久しぶりにnoteを書いています。
さて、僕は専門学校からこのゲーム業界に入ったのですが、
学生の頃、ゲームの企画を考えていて、こんな不安がありました。
【ゲーム企画を考えるときに出た不安】
1.ゲームの企画ってどうやって考えるのが正しいの?
2.こんな考え方しているけど問題ないの?
こんなことを不安に思ったことがある人はいるのではないでしょうか?
(あれ?僕だけ?)
今回は上記の内容を不安に思っている学生の方に向けて
「ゲーム企画を考えるときの方法」についてまとめていこうと思います。
【この記事の整理】
記事テーマ : ゲーム企画の考え方
ターゲット : 考え方に不安を持っている人,考え方がわからない人
得られる物 : ゲーム企画の考え方やその種類,問題なかったという安心感
記事難易度 : EASY
結論
早速結論です。
ゲームの考え方は下記のパターンにまとめられます。(と考えています)
【ゲームの考え方パターン】
1.イメージからゲーム企画を起こす
2.テーマからゲーム企画を起こす
3.市場からゲーム企画を起こす
ゲームの考え方は人それぞれ向き不向きがあると思います。
また、どれをしておけば正解ということはないので、
「自分はこの考え方がやりやすいな」という方法を見つけておくとスムーズだと思います。
では早速それぞれの考え方を深掘りしていきつつ、
方法をお教えしていきます。
イメージからゲーム企画を組んでいく
まずは「イメージ」からゲーム企画に落とし込んでいく方法です。
これはパッとゲーム画面やどんなことをするかがイメージで頭に浮かんだ時ですね。
(これが一番企画案を出しやすいと思います)
この方法だと作業は「イメージから要素の整理(逆算)をする」が主になります。
①特徴を整理しよう
最初に頭の中でイメージしたゲーム画面や動きといった特徴を箇条書きにしましょう。
■今思いついた適当なゲームを例にしてみる
・空飛ぶ
・銃で敵を打つ
・敵の背後を取ると有利
・縦横無尽に移動ができる
こんな感じのゲームを仮に思いついたとします。
②特徴から達成したいコンセプトを逆算しよう
次に箇条書きした内容からどんなゲームかを大体想像しつつ、コンセプトを逆算しましょう。
■逆算してみた
ゲームの内容:
・空を自由に飛び回り敵を撃ち落とすゲーム
・位置関係に絶対的な優劣があるので、操作による位置取りが鍵になる
コンセプト:
・場面の切り替わりが激しい中で位置取りの駆け引きにより、
敵の背後を取った時が気持ちいいハイスピード戦術アクションゲーム
みたいな?
久しぶりにゲームのコンセプトを考えた気がする...というのは置いておいて、ざっくりゲームのイメージからコンセプトを逆算します
③逆算したコンセプトから詳細な内容を決めていこう
ここまで来たら大体のゲームイメージとコンセプトが固まったと思うのでそれを元にゲームの詳細な部分を考えていきましょう。
■ここで主に考えること
・ゲームの流れは?
・勝敗条件は?
・どんなシステムがあったら面白い?
こんなことを考えたらいいかなと思います。
では実際どういう感じになるかですが、上記で出したゲーム企画で考えるとしたら、
■上記で出したゲーム企画で詳細内容を出してみる
ゲームの流れ:
・ストーリー進行型のゲームでチャプターごとに敵と戦う
・敵を倒すとストーリーが進む
勝敗条件:
・一撃で終わったら流石に先行優勢で面白くないのでHPを用意する
・相手のHPを全て削れば勝利/自分のHPがなくなれば敗北
どんなシステムがあるか:
・位置取りの駆け引きを面白くしたいので、そのテクニックを入れる
・飛んでいる時間に応じてスキルポイントが溜まり、特殊な行動ができるスキルを使用できる
・敵を撃つ球に種類を用意して正面からの撃ち合いでも戦略性を少し用意したい
・オンラインで対人戦ができるようにして盛り上げたい
・ただただ位置取りをしている時のストレスが高すぎるので、小目標として倒すとスキルポイントが獲得できる浮遊物をステージ上に用意して戦闘を加速させる
とかとか?
パッと書くつもりが意外とシステム部分のアイデアが膨らんでしまったイメージですね。
ここまでまとめられればあとは整理しつつ企画書にまとめていく段階になるかなと思います。
こういうやり方や手順がわかるだけでゲームの企画は考えやすくなるので、このイメージからゲーム企画を考える方法は汎用性があると思います。
お題からゲーム企画を考える
次は特定の「お題」からゲーム企画を考えていく方法です。
学生さんだとこれをする機会が多かったりすると思います。
実際多くの学生が目標とする「日本ゲーム大賞」のアマチュア部門では、
テーマを設けて、そのテーマをどのように消化できたか?クオリティは高いか?を軸に判断するようになっています。
そのお題からゲーム企画考える方法ですが、主にやる作業は「組合せのパターンだし」です。
①テーマの消化方法を考えよう
まずはテーマの消化方法を考えましょう。
テーマがある場合は評価基準に「テーマをどれだけうまく消化したのか?」も含まれることが多いので、
自分がしっかりと納得できる消化方法を考えます。
例として、日本ゲーム大賞アマチュア部門のテーマでもある「メビウスの輪」でやるとすると。
■テーマ消化をしてみた
・メビウスの輪の形をしたキャラクターを操作する
・表と裏が繋がっているステージを攻略する
・表と裏を入れ替えるアクションを使う
こんな感じでテーマ消化方法を洗い出してみました。
(メビウスの輪ってテーマとして難しくない??)
これがぱっと見でわかるゲームを作ればテーマを消化できると言えると思います。
②テーマからコンセプトとゲームのイメージを固めよう
次にテーマ消化方法からゲームのイメージとコンセプトを決めていきましょう。
■コンセプトとゲームイメージを固める
ゲーム概要:
・メビウスの輪型のステージ上で生き残る(スコアアタック)
・メビウスの輪の周りから敵が上陸してくるので撃ち落としたり撃退する
→表と裏から敵が上陸を仕掛けてくるので1度に2面の防衛を考える
・ステージ上には守るべき対象がある
・表と裏が陸続きなので移動だけで防衛できる範囲(表/裏)を切り替えられる
コンセプト:
・タスク管理をしているような優先順位を瞬時に決めて対処する急がし楽しいタワーディフェンスゲーム
ぱっと見で分かった方が良いのでメビウスの輪っぽい何かは入れた方が良いかなと思いつつステージをそのままメビウスの輪にしてみました。
ここまで書いたのでパッとイメージも書いてしまう。
■ゲームのイメージ
イメージは宇宙に漂っているメビウスの輪型の星に住んでいる主人公。
その周りから侵略してくる宇宙人みたいな敵がいて、メビウスの輪を動かしているクリスタルみたいなものを狙ってくるので銃を使って撃ち落としたり、上陸した敵を倒す。
アイデアを考えていると楽しくなってくるのでついつい書いてしまいましたが話を戻してこんな感じでテーマを消化できるゲーム概要とコンセプトを固めていきます。
③コンセプトから企画の詳細な内容を決めていこう
最後にコンセプトやゲームのイメージから詳細な内容を決めていきましょう。
このやり方は1つ目のゲームの考え方と一緒で必要なものを案だししていきます。
やり方は一緒なので詳しくは書きませんが、ここまで来たのでメビウスの輪のゲーム詳細を案だししてみます。
■ここで主に考えること
ゲームの流れ:
・ステージ選択を行ってそのステージのクリアを目指す
・ステージクリア後はちょっとしたストーリーイベントが発生する
・全てのステージをクリアするとゲームクリア
勝敗条件:
・敵の襲撃を退けるとステージクリア/ステージ上の守る対象が破壊されるとゲームオーバー
どんなシステムがあるか:
・武器の種類を増やす(レーザー/散弾/ホーミング etc...)
・その場で表と裏を移動することができるスキル
・守る対象の種類(周囲に強化効果/自ら追撃する etc...)
こんな感じかなと。
意外と小さいミニゲームにはなりそうな感じですね。
また、この考え方では①と②は一緒にできるといいですが、
こういう場合は「コンセプト」よりは「テーマをうまく消化できているか?」を見られることが多いので
コンセプト<テーマという優先順位で良いと思います。
ただ「コンセプトがない」はダメです。
案を検討する上でも実際に制作する上でも迷子になるので、
テーマから考えたとしても必ずコンセプトは用意しておきましょう。
市場からゲーム企画を考える
最後に市場を調査してからどこを狙うかを定めて、
その狙いに刺さるゲーム企画を考えるという方法です。
この方法自体は少し難しいですし、企業で行う内容に近くなる印象です。
個人的には学生さんが就活作品で出す企画書は市場調査はしなくて良いと考えています。
この方法で行う主な作業は「調査」と「分析」ですね。
①市場を分析してメインターゲットを設定しよう
まずどのターゲットを狙うのが効果的なのかを市場分析から洗い出します。
最近流行りのものや人気が不動のコンテンツからどういったことに注目されているのか?とかを考えながらやると良いでしょう。
(この市場分析のスキルはかなり難しいので今回はさっと触れておくだけにします)
とりあえず適当に設定しましょう。
最近増えてきたゲーム実況配信者。
今後も伸びるであろうことから市場は大きくなるであろうことを予想しゲーム実況配信をする人をターゲットとします。
■ターゲットの特徴
・20代〜30代前半
・配信をしている人
・複数人で遊ぶゲームを好む
・たまに一人で遊びたいと思う時もある
・主に夜に配信を行う
こんな感じでとりあえず良いかなと。
本当であればさらに細かくペルソナを設定していくのですが、今回はわかりやすくざっくりと出しました。
サラッと流しましたが、このタイミングで市場規模とターゲットの人数がどれくらいなのかをしっかりと調べ尽くす必要があります。
②メインターゲットからコンセプトとゲーム概要を設定しよう
上記の内容からコンセプトとゲームの概要を設定します。
達成したいこと(コンセプト)としては「ゲーム実況で見ている人と一緒に盛り上がれる」とかがいいですね。
ではどうやったら盛り上がるかですが、他のプレイヤーとの戦闘がある方が盛り上がりますよね。
実際Youtubeのゲームカテゴリで人気とされているものはほとんどが他のプレイヤーとの対戦がメインのゲームばかりです。
その上で見ている人も盛り上がれるという点だと攻める側と守る側がいるみたいなのが良いですね。(第5人格みたいな)
さらに「最近のゲーム的にあまり目立たない」でかつ「男性が好き」なジャンルと言ったらタワーディフェンスといった戦略ゲーとかにしてみましょう。
という形でゲームの案を固めていくとパッと出した内容は以下のようになりました。
■コンセプトとゲームイメージを固める
ゲームイメージ:
・守る側と攻める側で分かれるタワーディフェンス戦略ゲーム
・攻める側はモンスターを配置して砦を壊そうとする
・守る側はTPSのシューティングでモンスターと戦い砦を守る
・ぱっと見で戦況がわかるようにする
コンセプト:
・ゲーム実況で見ている人と盛り上がることができるゲーム
本当にざっくり出したのがこんな感じ。(ちなみに考えた時間は2分です)
ここまでまとまればあとは今までと同じで詰めていくだけになります。
③コンセプトとゲーム内容からゲームの詳細な内容を決めていこう
ゲームの内容とコンセプトがある程度固まったら詳細な部分を決めていきます。
他のやり方と同じでここで考えることは以下の内容です。
■考えること
・ゲームの流れ
・勝敗条件
・どんなシステムがあるか
ということで考えてみたのが下記です。
■ここで主に考えること
ゲームの流れ:
・他のプレイヤーとマッチングを行い、お互いキャラクターを選択する
・その後カウントダウン終了で試合開始
・勝敗が決まったらその時点で試合終了
勝敗条件:
・攻める側→砦の耐久値をなくす/プレイヤーを全員倒すことで勝利
・守る側→プレイヤーの誰かが生き残った状態で、一定時間砦を守り切ると勝利
どんなシステムがあるか:
・キャラクターによってスキルや出現させることができるモンスターが違う
・砦にはギミックがあり、使用することで有利に働くことがある
・武器は試合中にグレードアップすることができる
・試合中に敵が活性化する時間がランダムで発生する
みたいな感じですかね。
こんな感じで「市場調査→ターゲット→ゲーム内容」という形で考えることができます。
ただ、この考え方をした場合は、企画書の作りがかなり変わります。
その市場やターゲットを狙った理由がわかるように、データも含めて出さないと説得力がありません。
なので、個人的には就活用の企画書ではこのタイプの考え方は不向きかなと思っています。
他にも方法があるかも?
もちろん上記でまとめた以外にも方法があるかもしれません。
ですが、ゲーム企画を考える上で行うことは下記の内容だけです。
1.きっかけ(イメージ/テーマ/調査結果)からコンセプトを構築する
2.コンセプトを達成できる企画を考える
なので、これさえ行っていればどんなやり方でも問題ないですし、
一番自分に合った方法でやるべきだと思います。
ただ、一部企業側が市場調査を重視するような会社である場合は3つ目の
市場調査からのゲーム企画を考える方法を行わないといけないこともあるかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
個人的には学生時代に不安に思っていた内容に対して、
今の自分が返答するという、逆タイムカプセルをしているような感覚でまとめていました。
ゲームの考え方は大体こういう内容になるであろうと思いまとめましたので、参考になれば良いなと思います。
ではこのへんで。
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