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【岩手県・遠野を訪ねる】姫たちの遠野

 岩手県遠野市は周囲を山々に囲まれ、大昔には湖であったと言われる盆地です。トーはアイヌ語で湖、ノはヌップすなわち丘という意味だそうです。江戸時代には南部藩下にあり、その城下町として、栄えました。沿岸部と内陸が交差する経済の中間地として多くの人や物が行き来する遠野は、小友の金山にも恵まれ、様々な文化が交流し、衝突する中継地であり、女神が降臨したという伝説の三つの山をはじめ座敷童や山姥や雪女や河童などのたくさんの妖怪伝説がうまれました。それらは遠野出身の作家佐々木喜善に収集され東京の民俗学者である柳田国男へと伝えられ、「遠野物語」という民族的な文学にまとめられ明治四十三年に出版されました。「遠野物語」は当時からたくさんの読者に愛され、遠野は民話の里として有名になりました。

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