敗北からの闘争理論
鎌倉インターナショナル FCの河内一馬さん、クリアソン新宿の井筒陸也さんとお会いする機会が訪れた。
河内さんは日本や世界で全ての世代が安心してサッカーを楽しめる社会支援のNPO法人「love.fútbol Japan」の理事であり私も今年9月から1%FCのメンバーとして参画させて頂いている。
また2005年から書き続けているブログタイトルが「フットボール症候群」ということもあり何かしらのご縁を感じた。
井筒さんは友人の三浦泰年氏が関わっている鈴鹿ポイントゲッターズと先日対戦し三浦知良さんと対談したばかりということもありこのタイミングでお会い出来事にやはり何かしらのご縁を感じた。
河内さんは「競争闘争理論」の著者。
井筒さんは「敗北のスポーツ学」の著者。
奇しくも二人ともに今年3月に出版している。
さらに、
FLAT STUDIO@映画監督でもある石井龍さん。
20年来の仲でもある「大人になってから学ぶサッカーの本質」のKeiさん。
若き才能溢れるエッジの効いた面々からエネルギーを蓄積させてもらった。
「競争闘争理論」と「敗北のスポーツ学」は両書ともに稀な良書である。
久しぶりに書斎に保管しておく本が増えた。
著名人がインタビュー形式で答え編集者が書き上げチェックする類いでもなく単なる自叙伝や名言集ではない。
写真だらけの技術解説本でもない。
両書ともに著者がフットボールに純粋に関わり体験してきたコラソンの塊が高解像度で丁寧に俯瞰し論理的に整理されている。
彼らが本能で感じたことや表現したいことが活字の内面からマグマが噴出する如くコラソンに熱く響いた。
若者たちが人生に真摯に向き合いフットボールを愛しここまで丁寧に言語化されている事に驚きと喜びを隠せない。
サッカーは競うべきか闘うべきかという問にはおそれいった。
そんなことは考えた事もなかったからだ。
サッカーは採点競技では無く対人競技程度の認識しか無かった私にとって子ども達と関わっていく上でとてもよい気づきとなった。
探索アルゴリズムの山登り法もまた沢山のヒントとなった。
この分野は私が日々求めている事でもあるからだ。
両書の内容を解説する気はないのでこれ以上はやめておく。
ご自身の感性で読むべきであり、自身の哲学に大きなエッセンスとなり得る可能性を秘めた両書であるからだ。
河内さんもおっしゃっていたが是非とも両書共に数年後のバージョンアップ版を期待せずにはいられない。
9:00キックオフの鎌倉インターナショナル FCの公式戦もKeiさんと観戦した。
鎌倉は高徳院近くに叔母がおり幼少の頃は由比ヶ浜へ泳ぎに行ったり 極楽寺辺りを走り回っていた思い出深き素敵な古都である。
もっとも鎌倉山の異常なまでの静けさもランタンで照らされたトンネルも無くなり私の思い出の場所は心の残像だけになってしまったが。(^^)!
それでも古都鎌倉は素敵な所。
鎌倉インターナショナルFCが地域に根ざしたフットボールクラブを目指し多くの方々との交流や取り組みを肌で感じることができた。
河内さんが話していた「鎌倉が好きな人、鎌倉で暮らしたいと思っている選手がプレーするフットボールクラブ」
そしてクラブ理念として
「日本と世界を隔てる国境をはじめ、人種や宗教、性別、年齢、分野、そして限界、あらゆる“BORDER”(境界線)をもたないサッカークラブを目指す。」
これって本当に当たり前のことなのに実現しているクラブが日本にあるのだろうか。
これこそがフットボール先進国の国々と日本との決定的な違いであることは間違いない。
先ずはこの「当たり前」を実現していくことから日本のフットボールは世界へ急速に近づいて行くのだろう。
改めて八ヶ岳で取り組んでいる方向性への確信も持てたし、新たな発見や視点も持てる事ができた。
何故自分の息子達と同世代の方々にお会いしたくなるのか。
私が少年サッカーの代表兼監督をスタートしたのが25歳だった。
そして35年後の今も未だにクラブチームの代表としてジャージを着て雨の日もびしょ濡れになってグランドに立ち続けているからに外ならない。
25歳の自分は本気だった。そして今も。
だからこそ当時の自分のように若くて本気でフットボールに携わっている方との繋がりを求め続けているのだろう。
河内一馬さんと井筒陸也さんのツートップは同じ歳のハリー・ケインとレバンドフスキくらい解像度が高かった。
なによりもエッジが効いている彼らがこれからどのように成長していくのか楽しみしかない。
そんな新鮮な空気を吸えた時間でした。
「フットボールは人生の全てではないが空気の様な存在になれたら素敵だ」
ネバーギブアップフットボール・コラソングランデな一日でした。