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未確認ラジオ - 短編オリジナル朗読集

33
自作ラジオドラマを配信しています。 気まぐれ更新、SF多めになる予定です。滑舌の悪さはご容赦ください。 作・朗読 でんぷん
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記事一覧

ツルリとポロリ ウクレレ弾き語り

架空の教育テレビの人形劇のテーマソングです。

潮時の町 ウクレレ弾き語り

潮時の風吹く町で意欲ばかりが錆びてゆく

もちづき

沢の河童連で緑川ミツエの名を聞いて震え上がらぬ者はいない。

33の瞳

2022/05/30 新宿のホテルにて録音しました。 33の瞳 窓がバタバタ鳴っている ことばはいま黙っているがいなくなったわけではない 光、 あるところにはあって温かいらしいが 僕は僕のほんとうを積み上げるのだ うららかな賽の河原だ 風、 真っ直ぐな白線上に風が吹く 白線は何とも交わらず 風もまた地上の一切とは無関係である 声、 生活は人類史の一断面であり 僕が去ったあとに残るものと 残らないものとが、今ここで 骨と肉とのように混ざり合い この声は残らないものである 夜、 みっつの目をもつ生き物が11次元から 33の瞳を光らせている 腕の形をした夜に閉じ込められて 指を濡らしているうちに これは罠だったのだと気づく だから夜な夜な音をたてては三つ目たちを威嚇するのだ 存在しない島国の歌をうたって 石、 僕は石に歌をきかせてやった。 再び光、 あるところにはあって温かいらしいが 僕は33の瞳をひらいて  誰にも知られぬ風や声や夜や石を積み上げるのだ ここはうららかな賽の河原だ 窓がばたばた鳴っている ことばはいま黙っているが、いなくなったわけではない

再生

十字路の天使

病院の前の十字路には天使が立っていて、行き交う人々のうなじから薄茶色をしたビニールの管を引き出しては、管と管とを繋いだり、外したり、あちらとこちらを付け替えたりしている。 作・朗読 谷脇クリタ

再生

ウクレレ短歌「シャワー凍結」

シャワーが出ない

再生

火星虫の夜

火星が近い日はガスマスクを着けるんだ。 火星虫のかけらを吸い込まないようにね。

木枯らし少年

「木枯らし1号!」 そう呼ばれて、もうほとんど腰を浮かせていた小林一郎少年はパイプ椅子の上に尻餅をついた。

夏の雪

何が楽しいんやて聞いたら、雪が降ってる間だけ、小さい世界のなかに時間が流れてるみたいに見えるんが面白いんやて。

こどもの証

明石っ子レコードにアクセスできる条件は二つ。 一、明石市で生まれ育ったこと。 二、十五歳以下のこどもであること。

天の虫

百年前、この村は蚕で食っとった。

七夕小話

短いお話を書く→そのお話に出てくるモチーフを使って次のお話を書く…という要領で十の小話をつなげた連作です。2020年の七夕ごろに書きました。

日月譚

朝焼けが学校を連れてくる。 (2020年6月21日、犬と街灯 夏至朗読会のための書き下ろし)

鹿の美術館

美術館で働いてるというと人間の美術館やと思われがちだけど、僕が勤務してるのは鹿の美術館。あまり知られていないけど、そういうのもある。