【EDH】イニストラード:真紅の契り
ギャラリーが公開されましたね。
早速、いつも通り主にガチ目線のEDH視点で気になるカードをいくつかピックアップ。先に全体の感想だけ述べると、今回はだいぶパワー抑え気味というか、1ターンに1回まで誘発など明らかな抑制や、マナコストが重めなどの理由で、収穫は少ない。
あんまり微妙なカードに感想文ばかりつけても仕方ないので、ある程度考察できそうなものに絞ってピックアップ。
神聖なる憑依
サイシスのフィニッシャー候補。しかしサイシスはエンチャントに寄せすぎると派手に展開する割に勝ちきれない。目立つせいで妨害を集めがちという典型的な弱い動きをしてしまう。このカードが行うのも、デカいトークンを並べるだけなので、結局サイシスの弱点を克服しているわけではない。個人的にはサイシスは序盤の補助につかって、緑の優秀なファッティまでのつなぎとして使うのが良いと思っている。ある程度展開したところから即効性のある緑の高コストのパワーカードを連打してソリティア開始、そのままゲームエンドまで狙う。緑単や青緑がよく狙っている(?)アレ。そういう意味では欲しいカードはこれじゃない感が強い。
白いカードは話題に挙げるほどのものがなくて、やむなく取り上げたものの、意外と話になったな。
錬金術師の挽回
青の2マナの汎用バウンス枠。
ロングゲームでチャンスをつかみたいなら、サイクロンの裂け目。
マナが余った時に追加ドローが欲しいなら、乱動への突入や一瞬。
クリーチャーが必要なら、厚かましい借り手
自分のパーマネントを戻すことも考えるなら霊破。
霊破の1ドローはチェインコンボ向きでクラーク&逆嶋のようなデッキに向いているが、単に自分の波止場の恐喝者を再利用したい程度なら軽量の錬金術師の挽回の方が良い面もある。その場合はマナアーティファクトを大量に戻して実質マナ加速する蒸気の連鎖がライバル。両方採用でもいいけど。
切除のおかげで、マナコストが1軽く、むかつき的には微々たるものだけどありがたい。
船砕きの怪物
新しい潮吹きの暴君。マナアーティファクト2枚で今まで通り無限マナが出来るが、幻影の像などで二体にして相手のパーマネントを全バウンスは出来なくなった。潮吹きの暴君を使うデッキは少ないが、基本的には変身デッキ?ライブラリーから引いてしまったり、除去された後の二の矢を考えると両方とも採用が良いのかな。
潮吹きの暴君と違って、点数で見たマナコストが7なので、6マナ統率者から新生化で場に出すプランが取れそうだが(主にタシグル)、今までも失われた宝物庫の学者を挟むことで暴君に繋げた。出産の殻にも対応したので、失われた宝物庫の学者を抜くんかな。ただ、タシグルはコンボの弾になる軽量アーティファクトを集めやすいわけでもなければ、ドローが強くて集まるわけでもないので、この動きは弱そうなんだが。5マナジェネラルから異界の進化でもたどり着けるとも言えるが、手頃なやつが思い浮かばない。ケルーガ?ケルーガはマナクリベースにする必要がないので茶単みたいな動きにしやすくて、ドロー能力があり、なおかつ無限マナコンボ後の無限ドロー手段にもなって、滅茶苦茶かみ合ってそうだが、ケルーガを本格的に調整している人は見たことが無い。
クラーケンなのでウーラの寺院の探索対応。絶対に使わないけど。
散らかった思考
え?嘘か真かじゃん。グロルナクのような墓地に落とす能力も利用するデッキだと相当強い。一般的な青単は、墓地にキーカードが落ちると拾う手段のコスパが悪いので、記憶の氾濫の方が強いし、黒が入るとライフを要求するクソ強いドローが多いので、出番は少なそう。
洗い落とし
統率者をカウンターできるけど、除去を構える人よりも先に使わないといけなくて、多人数戦で一番弱い動きである「率先して他人の妨害をする人」になりがち。カウンターは自分のコンボのバックアップと相手の妨害を兼ね備えるから強いのであり、相手のインスタントに触れないのであれば採用圏外。
しかし、バラルのように打ち消すことが大事な統率者では貴重な軽量カウンターで、対象も多いのでアリなんか。バラル使ったことも対戦したこともないので分からないけど。
鏡の間のミミック/恐ろしい模倣
おまけ付きのクローン。マナコストは偶数なので、ちゃんとジャイルーダ対応。それだけ。既存のカードの順当な強化なんだけど、裏面が微妙過ぎて大喜びするほどでもない。
蝕むもの、トクスリル
単に釣るだけならヴィリスやラザケシュが良いので、統率者として使うかどうか。とりあえず場に出ればマナクリは一掃できるが、場の制圧にしてもドローにしても遅い。基本的には次の自分のターンが回ってこないとアドバンテージを享受しがたい。重いのに即効性がないのは厳しい。
アンデッドの執事
縫い師への供給者よりは弱いが、アレが異常なだけで2マナの切削クリーチャーとしては十分強い。黒には追加コスト生け贄のカードも多いので、下の能力も活用しやすい。
運命の改変
Wheel of Fortuneなどから続けて使用すると沢山カードが引ける。4マナと重いが、例えば戦慄衆/永遠衆どちらのネヘブもスーパーマナ加速なので狙えるコンボになる。特に戦慄衆の勇者とはめちゃくちゃ相性が良い。普通のデッキでは使わない。
耕作する巨躯
緑単において、威厳の魔力など手札が潤った状態で出てくると凄いアドバンテージが稼げそうだが、これ自体が重くてタップインなので、威厳の魔力を出してターンエンド、耕作する巨躯を出してターンエンドと、全然勝ちに行けない。むしろ自然の秩序で、手札がまだ残っている段階の早いターンで場に出したいところだが、緑単では自然の秩序をサーチできないので安定使用は困難。サーチが絡む青や黒があるならば、高コスト帯にはもっと強いカードが沢山ある。
掘り起こし
序盤はマナの安定、後半はゲームエンドカードに繋げるという意味ではウルヴェンワルド横断みたいなカード。しかし高速化が激しい現代EDHで、加速しないマナの安定化のためだけに1マナ使う余裕はない。どちらの使い方も弱いので、汎用性があっても…という感じ。
苛まれし預言者、エルス
リエールみたいな能力だが、大分前のめり。しかし1ターン限定はだいぶ弱い。決めきれないでデッキだけ掘るとキーカードを失って勝てなくなるリスクがある。その割に、今のEDHの高速コンボの標準的なキルターンである、2ターンキルが出来るわけでもない。大抵は2ターン目にコイツを出してターンエンド。3ターン目からコンボを狙うわけだが、そういうジェネラルは腐るほどいる。
またこの手の青赤デッキは、 Bazaar of Baghdad、Timetwister、Wheel of Fortuneなど資産的なハードルも大きい。
雑食するもの、グロルナク
伝説のクリーチャーは、EDH的にはかなりカードパワーが抑え気味な中、コイツだけやりたい放題しやすい能力を持っている。ありがちな1ターンに1枚制限がつかなくて本当に良かった。先日考えたように、高速コンボには向かないので、ロングゲームでアドアドしい動きを追求したい。
結ばれた者、ハラナとアレイナ
ハラナとアレイナはストーリー的に恋人だったらしいが、ついに結婚したんか。よかったよかった。
脳筋能力だが、まじめにウェザーライトの艦長、シッセイでは採用候補になると思っている。シッセイではタップで5色5マナ出るマナクリがいると無限コンボになるのだが(ルートは多数あるので詳細は割愛)、速攻付与が一つの課題だった。シッセイ→ハラナとアレイナと展開しシッセイの上に+1/+1カウンターを置くと次のターンにジェガンサか緑セルヴァラをサーチして勝ちである。ターンを跨いで弱そうなプランに見えるが、実際に欲しいのはハラナとアレイナや幾つかの生物を先置きしておいて、花を手入れする者とシッセイを後から出していきなりコンボ始動という奇襲。シッセイは露骨にジェガンサを相棒にしたり、シッセイを出して5マナ構えてしまうと袋叩きに会うので、シッセイからスタートではないプランが欲しかった。伝説のクリーチャーで手頃なコストで速攻をつけられるのはチェイナーくらいだったし、シッセイには微妙に殴りプランもあるので、採用もありでは。
恐怖のドールハウス
先ほど少し触れたが、青単では墓地に落ちた重要クリーチャーを拾いにくい。例えばエムリーのように自分でライブラリーを削った時に問題になる。アーティファクトは青単でもサーチしやすいので王神の贈り物などで誤魔化すことが出来たが、恐怖のドールハウスは起動まで含めても1マナ軽いし、通電式キー/多用途の鍵などで複数起動も狙える。
統率者エムリー以外だと更に気になるのだが、青単ではアドバンテージを稼ぐ手段の中に、切削や墓地に落ちる効果があるために採用を控えていたパワーカードも多い。墓地から拾えるカードが充実してこれば、青単でも積極的にライブラリーを削りながらアドバンテージを得る時代が来るかもしれない。
こんな感じで。さっと通してみただけなので見落としているものがあるかもしれないけど、前提的には「使えなくもないけど…」というカードが多い。
グロルナクは是非とも作りたい性能だが、現状の手持ちのデッキを崩さないとカードが足りない。最近、手持ちのデッキを組み替えて、現在はクラム&イクラ、ティアマト、ギランラ&東の樹の木霊にしているが、花の絨毯をはじめ緑のカードが足りなすぎるし、Tropical Islandも2枚しか持ってないんだよなあ。わざわざ買いたくないし、プロキシ使用や入れ替えて使うのも気が引けるので結局MOXFIELD一人回しまでで現物では組まなそう。
今回も統率者セットがあるので、そちらも期待。