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ハンマータイム、現状の認識(中)

ご挨拶

こんにちは、電基地です。こちらは前回の記事「ハンマータイム、現状の認識(上)」の続きとなっておりますので、そちらも併せてお読みいただけると幸いです。

https://note.com/denmtg/n/ncf309877b07d

【ハンマータイム】の歩く道

さて、前回は【ハンマータイム】は速さ全振りのデッキじゃない!(かも?)というところで筆をおきました。

あまり抽象的な話ばかりでも仕方ないので結論から申し上げますと、現状、【ハンマータイム】が取り得る道筋は大きく分けて以下のようになっていると考えています。

①:ハンマー装備ルート
デッキ名にもなっている「ハンマー」こと《巨像の鎚》をメインに据えたルートです。
前回はネガティブな点ばかり紹介してしまいましたが、最速2ターン目パワー10+α!(あわよくば勝ち!)というのは、他のデッキが2ターン目《帳簿裂き》だの《レンと六番》だのを繰り出してくるモダン環境においても十分説得力があります。

また、このルートは最速パターンに目が行きがちですが、それ以降は成立しないのか?というと勿論そんなことはありません。
このルートの真価は「2ターン目にも成立させることが出来る程、必要なカードが軽く構成されている」という点にあると考えています。つまり、対戦相手視点では、このデッキと戦う際には2ターン目以降いつどこからハンマー装備が飛んでくるかを常に考えていなければならない、ということです。

わたし自身【ハンマータイム】と戦う側だった頃は、「流石にここから負けはせんだろ~」と油断したプレイをした結果ゲームを落とす、という経験を何度もしてきました。私が下手なだけというのは言わないでおいてあげてください。
常に即死をチラつかせることで、対戦相手に窮屈な思いをさせ続けられます。このデッキと戦った対戦相手が楽になるのは、こちらが勝利するときです。もしくはどうしようもないほどの不利盤面を作られてこちらが敗北するときです。


②:構築物トークンごり押しルート

モダンホライゾン2屈指のパワーカードである《ウルザの物語》。ここから生成される構築物トークンをメインに据えたルートです。

前回の記事でも述べましたが、構築物トークンのサイズは《ウルザの物語》1枚でも3/3まで引き上げることが出来ます。念のため改めて確認しますが、Ⅱ章で1体生成(自身をカウントして1/1)、Ⅲ章誘発スタックで2体目を生成(それぞれをカウントして2/2が2体)、サーチされたアーティファクトが3枚目のカウントとなって、3/3が2体!ということですね。

ここに適当なアーティファクトを添えるだけで更にサイズが上がっていくため、4/4や5/5程度であれば容易に作ることが出来ます。

このルートの強みは、なんといっても燃費の良さにあると考えています。《ウルザの物語》を1枚引くだけで見えてきますし、起動用のマナさえ確保してしまえば一切カードを使わずとも勝手に進行していきます。

対戦相手が構築物トークンを対処する動きを見せたとしても、《ウルザの物語》自体が対処されない限りは枚数面でこちらは一切損をしていません。かといって、構築物トークンは放置すると無視できないサイズまで成長しうるクリーチャーである為、相手としては損だと分かっていながらも、何かしらの手段をもってこれに向き合わなければなりません。

こちらはカードを使わず、相手だけがカードを浪費していく。これすなわち、TCGにおける「勝利」です。

③:生体武器ごり押しルート
対処の難しい《カルドラの完成体》や、構築物トークン同様無視できないサイズまで成長しうる《イラクサ嚢胞》をメインに据えたルートです。

《石鍛冶の神秘家》を引くだけで移行を検討できますが、公開サーチという行動を挟む以上、隠すことが難しいルートでもあります。
また《カルドラの完成体》は《石鍛冶の神秘家》の起動型能力を使わないとほぼ出せないカードですので、対戦相手の対応次第であっさり瓦解してしまう危険もあります。

このルートに移行するかどうかは対戦相手のデッキやこちらの手札状況も鑑みながら、慎重に判断したいところです。

④:ゴミビートルート
上記3つのルートがいずれも上手くいかない場合に取り得る最後の手段です。1/1のクリーチャーでも20回殴ればゲームに勝てます。《墨蛾の生息地》であれば半分の10回で済みます。

真面目にいうと積極的には選び取れない、選び取りたくない悪路でしかありませんが、前回も述べたようにこのデッキのゴールは「対戦相手のライフを0にすること」だと考えています。毎ターン与えられるダメージが1点だろうが2点だろうが、攻撃出来ている限りゴールには確実に近づいている筈です。いつ上記のルートに移行出来るか分からないですし、その際に数点足りない…なんて悲しいことが起きないよう、どんなに苦しくともライフは削れるときに削っておきたいです。


という訳で、簡単に【ハンマータイム】が選び得るルートを考えてみました。
これら4つ3つのルートを、オープンハンド、ドロー、対戦相手のデッキ、プレイ、戦場の状況等で切り替えながら、場合によっては複合させながら戦っていく必要がある、というのが、【ハンマータイム】というデッキに対する現時点での私の認識となっています。

【ハンマータイム】のカード達

それでは、実際にデッキ全体を見ながら各カードがどのような目的で採用されているのかをザックリ考えていきたいと思います。
前回同様、サンプルとして以下のリストを使用します。採用圏内ではあるもののここでは採用されていない、というカードは紹介しない方向で進めたいと思いますが、知見が溜まったなら別途記事を書くことになるかもしれません。

kanisterが板

・土地

《平地》
特に言うこともありませんが、このデッキは《ウルザの物語》のおかげでほぼ間違いなく《血染めの月》《月の大魔術師》をサイドインされるデッキですので、基本地形は少なくとも3~4枚ほどは採っておいた方が良いと考えています。

ここを《冠雪の平地》にする選択肢もありますが、現在(2023/4/16)のモダン環境では、この選択の差で勝敗が決することは殆ど無いと思われます。イラスト等の好みで選んでしまっていい部分だと思います。

好きなイラストは使い得

ショックランド
サンプルリストのように青白型にするのであれば《神聖なる泉》一択です。
【ハンマータイム】はいずれのルートを選ぶにせよ白マナさえあれば事足りるデッキですので、アンタップインにライフというコストがかかるショックランドは必要最低限で十分と考えています。

ファストランド
こちらも、青白型であれば《金属海の沿岸》一択です。ノーリスクアンタップインで2色を生み出しうる非常に強力な土地ですが、確定タップインとなる場面が存在するというのは明確な弱点です。
セットした3枚の土地に《ウルザの物語》が含まれていれば、Ⅲ章解決後に土地が2枚になるので、アンタップイン出来ます。

フェッチランド
平地を持ってくることさえ出来ればなんでもOKと考えていますが、サンプルリストのように全種類を散らすのがベターな選択ではあると思います。理由としては《真髄の針》や《外科的摘出》《根絶》等の存在が挙げられます。
ただでさえ自壊する《ウルザの物語》を使用する関係で、【ハンマータイム】は決して土地が伸びやすいデッキではありません。土地ハメに陥ってしまうことは構築段階からケアしておく方が良いと思われます。

キャノピーランド
どんな場面でもアンタップインかつ、土地が伸びた場合は【ハンマータイム】においては貴重なドローソースとなります。青白のキャノピーランドは存在しないため、サイドカード等で白以外の色を要求されるのでない限り、こちらも白マナが絡んでさえいればなんでもOKと考えています。私はイラストアド最優先で《地平線の梢》を使っています。

引くだけで幸せになれる見た目をしている


《墨蛾の生息地》
土地でありながらコンボパーツにもなるカードです。前回の記事でも述べましたが、このカードに《巨像の鎚》を付けて攻撃することはこのデッキの明確な勝ち筋の一つです。
ただし、色マナを出せない為、土地としてのカードパワーは高くありません。また、このカードを置いた瞬間、相手視点では嫌でも突然死を意識せざるを得なくなり、ガードを上げられてしまいますので、置くべきか否かはちょっと立ち止まって判断する必要があると考えています。

《ウルザの物語》
ここまででも何度か述べてきましたが、やべー奴ら揃いのモダンホライゾン2の中でも屈指のやべー奴です。このカードを1枚引くだけで【ハンマータイム】というデッキの強度、柔軟性は大きく増しますので、4枚積み以外の構築はなかなか考えにくいものとなっています。
このカードについては後に一項目設けてそこで考えてみたいと思っておりますので、ここでは軽く触れるだけにしておきます。


・クリーチャー

《純鋼の聖騎士》
【ハンマータイム】というデッキの顔役です。
前回の記事では速度を強調する目的から《シガルダの助け》に度々登場してもらいましたが、《シガルダの助け》は装備品が場に出た時の1度しか誘発せず、そこで妨害されてしまうと何もしないという弱点がありました。

このカードは《シガルダの助け》より1マナ重い上に金属術という下準備が必要ですが、場に落ちている装備品、特に莫大な装備コストを要求する《巨像の鎚》《カルドラの完成体》を拾いなおせる唯一無二のカードとなっています。《シガルダの助け》による装備をやっとの思いで防いだ挙句、このカードから拾いなおされて負けてしまった、という経験を持つプレイヤーは私を含め少なくないはずです。
しっかり2キルできるパターンもあるので、把握しておきたいところです。


1ターン目、セットランドから《バネ葉の太鼓》キャスト、《羽ばたき飛行機械》キャスト、バネ葉の能力で1マナを捻出し、《巨像の鎚》をキャスト。
2ターン目、セットランドから《純鋼の聖騎士》キャスト、《バネ葉の太鼓》で1マナを捻出し、《巨像の鎚》をキャスト。《羽ばたき飛行機械》に《巨像の鎚》2枚を装備して攻撃。

装備品が場に出た時に1ドローという能力も付いていますが、これについては後程やはり一項目設けて考えてみたいと思っておりますので、ここでは触れません。

《石鍛冶の神秘家》
このカード最大の強みは、どのルートを通るにしても必ず一定以上の仕事を果たすということにあると考えています。
ハンマー装備ルートではサーチ能力によって5~8枚目のハンマーとして運用できますし、構築物トークンルートでも装備品という「アーティファクト」をサーチすることで、トークンのサイズアップに貢献します。また、生体武器ルートではそもそもこのカードが無ければ《カルドラの完成体》はほぼ場に出ません。
何かと組み合わせたときの強さ、という意味で他のカードの後塵を拝することもあるかもしれませんが、カード単体としての性能は採用クリーチャーの中でもダントツの最強カードと考えています。元・禁止カードは伊達ではありません。

《エスパーの歩哨》
1マナ1/1とサイズは貧弱ですが、対戦相手を【ハンマータイム】の土俵に引きずり込むための必須カードと考えています。

「自分の動きを優先する為に、ドローを承知でこのカードの能力を無視する」か「自分の動きを放棄してでも、ドローを阻止するためにこのカードの能力をケアする」という二択を対戦相手に突きつけられます。
相手が前者を選んだ場合は、こちらが余分にカードを引けます。コンボデッキである【ハンマータイム】が余分にカードを引くということは、その分コンボ成立のチャンスが増えているということですので、相手としては好ましい状況ではありません。
また、後者を選んだ場合であっても、このカードをケアするためには余分なマナを支払う必要があるため、相手は減速せざるを得ません。2ターン目以降であればいつでもゲームを終わらせる可能性を持つ【ハンマータイム】において、対戦相手がゲームスピードを落とすということは大きな意味を持ちます。

性質上、序盤に置けると嬉しいカードとなっており、【ハンマータイム】の初動としては最上級のカードと考えています。相手視点では非常に鬱陶しいクリーチャーであるため、単体除去の1枚目はほぼこのカードに当てられます。これ自体がアーティファクトであるため、金属術や構築物トークンのサイズアップにも貢献してくれるとシナジー面もばっちり。

《羽ばたき飛行機械》
最速2キルルートには必須の0マナアーティファクトクリーチャーです。下記の《メムナイト》と比較すると、飛行を持っているため攻防に優れており、ミラーマッチでの最速パターンへの応手となるカードです。タフネスが2あるため《レンと六番》のようなタフ1絶対許さないマンや、《火》のような割り振り火力でアドバンテージを取られにくい点も評価点。見た目以上に「出来る」カードと考えています。
とはいえ単体では所詮0/2に過ぎないので、除去盛りだくさんで速度勝ちを見込めないデッキを相手にする場合は真っ先にサイドアウトされるカードでもあります。

《メムナイト》
最速2キルルートには必須の0マナアーティファクトクリーチャーです。(コピペ)
《羽ばたき飛行機械》と比較すると、飛行を持たない代わりにパワーが1あるため、タフネス1のクリーチャーに対するブロッカーとなります。この点は《敏捷なこそ泥、ラガバン》が健在のモダン環境では大きな意味を持ちます。
しかし、回避能力を持たないため最速ルートを通ってもチャンプブロックされやすいという点と、《レンと六番》の前に無力であるというのは明確な弱点です。不採用のリストも目立つ印象のあるカードであり、好みや環境によって分かれる部分かと思います。

《ルーンの与え手》
【ハンマータイム】が苦手とする単体除去へのデコイとして機能するカードです。役割としては《エスパーの歩哨》と似通っていますが、対戦相手に無視という選択肢を残しているあちらと比較すると、こちらはプロテクションによってこのカード以外への単体除去をほぼ無力化してしまうため、1枚は確実に除去を吸えるカードとなっています。
生き残った場合は、プロテクション付与によって戦闘面で大きく有利を取ることが出来ます。この手のカードでは珍しく「色ではない」無色を指定することもできますが、装備したクリーチャーにプロテクション無色を付けると装備品が外れてしまう、ということは絶対に忘れないようにしたいところです。
マッチアップによっては八面六臂の活躍を見せますが、これ自身は特にデッキ内の他のカードとシナジーがあるわけではないので抑え目の採用枚数となっていることが多いのかな、と考えています。

《ジンジャーブルート》
素の性能はお世辞にも強力とは言い難いカードですが、《ウルザの物語》からサーチしてすぐに攻撃に参加できるクリーチャーです。起動型能力によってどんなに盤面を固められても攻撃を通せるポテンシャルを秘めており、「ジンジャー引けば勝ち!ジンジャーサーチで勝ち!」という場面は想像以上に頻発します。
ライフゲインの能力も付いていますが、これを起動するためにはタップが必要ですので、攻撃してしまうと基本的に使えなくなってしまうことは忘れないようにしたいです(一敗)


・装備品

《巨像の鎚》
ハンマーです。このデッキは【ハンマータイム】です。つまりそういうことです。

《影槍》
修正値は地味ですが、キャスト①装備②という軽さで二つのメリット能力を付与できる強力な装備品です。特に《巨像の鎚》とセットで装備した際の威力は凄まじく、トランプルでしっかり大ダメージを通しつつ、莫大なライフゲインによってこちらの敗北を遠ざけてくれます。
起動型能力は装備/非装備に関わらず、対戦相手の”パーマネント”の破壊不能と呪禁を失わせます。現環境では《海と空のシヴィエルン》や《カルドラの完成体》を装備したクリーチャーの他、後述の《鍛冶屋の技》の対象となったパーマネントに対して使用することで活路を見出だせる場合が考えられますので、忘れないようにしたいところです。

《カルドラの完成体》
概ね《石鍛冶の神秘家》でサーチして、《石鍛冶の神秘家》で出すことになるカードです。戦闘面では非常に頼りになりますが、クロックは5点とやや遅いです。速度が重視されるマッチではサイドアウトされることもあると考えています。

《イラクサ嚢胞》
不採用のリストもちらほらあるカードで、以前はわたし自身本当に必要なのか疑問に思っていたカードですが、現在では必要という認識を持っています。
《石鍛冶の神秘家》による生体武器ルートはこのデッキが取り得る立派なゲームプランですが、ここで出せるカードを《カルドラの完成体》だけにしてしまうと、《石鍛冶の神秘家》を容易に除去出来るデッキを相手にした場合、半自動的にこのルートは潰えてしまいます。《カルドラの完成体》をハードキャスト出来るほどマナが伸びることは、このデッキにおいては滅多にないからです。
その点、このカードはハードキャストの場合でも③と現実的なコストであり、《石鍛冶の神秘家》から続くターンでキャストできる点が優れていると考えています。また、細菌トークンが除去されたとしても、②で装備しなおせるのも評価点です。

・その他

《シガルダの助け》
コンボパーツの1つであり、【ハンマータイム】の最速パターンには概ねこのカードが絡んでいます。装備品をインスタントタイミングで唱えられるようになりますので、《邪悪な熱気》のようなダメージによる除去へのカウンターのような役割を持たせることが出来ます。
重ね貼りした場合は、装備品が出るたびにそれぞれが誘発します。装備先のクリーチャーが2体以上戦場にいる場合は別々に対象を取ることで、単体除去をケアすることが出来ます。

《バネ葉の太鼓》
最速パターンの例で度々登場してもらいました。【ハンマータイム】というデッキの速度を支えるカードですが、単品では何もしないという点でカードパワーは高くはありません。速度が重視されないマッチアップではサイドアウトの候補となります。

《呪文貫き》
苦手な除去や致命的な置物、コンボに対する防御札です。色々候補はあるかと思いますが、範囲の広さを考えるとこれがベストと考えています。

《鍛冶屋の技》
こちらも防御札ではありますが、アーティファクトクリーチャーを対象にした場合はP/Tに修正が入るため、ある程度攻めにも使えるカードとなっています。
”全ての”パーマネントを対象にとれることは絶対に忘れないようにしたい点です。勿論対戦相手のパーマネントも対象に取れます。対戦相手が《不屈の独創力》のような、自身のパーマネントを破壊することで利益を得るカードを使用する場合は、このカードで破壊不能を持たせることで阻止できます。


・サイドボード

《真髄の針》
厄介な起動型能力を持つパーマネント全般に対する回答です。戦場に出た際の指定はスタックを用いません。戦場に出てから指定まで対戦相手には介入の余地はありませんので、忘れないように注意したいところです。

《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》
所謂ヘイトベアーです。
前者の能力は「土地の総数より大きいマナコストを持つ”非クリーチャー呪文”」をキャスト不可に出来ます。例えばトロンランド三種からの《解放された者、カーン》は制限できますが、これが《ワームとぐろエンジン》であった場合は何もしません。
後者はキャストにあたって「マナが支払われていない」呪文全てを打ち消せます。0マナのカードは勿論、待機呪文やピッチスペル全般を打ち消せます。ただし、例えば《スレイベンの守護者、サリア》のような「キャストに追加のマナを要求するカード」が場にあって、それが支払われている場合には打ち消せません。
また、前者はそもそもキャスト自体が出来なくなりますが、後者はあくまで打ち消すだけでキャスト自体は可能となっています。

ヘイトベアー枠の中でもカバー範囲が広いカードですが、このデッキは見た目以上に2ターン目の青白が出ません。なにがなんでも2ターン目に置きたいのであれば、それを意識したマナベースにするのが吉と考えています。

《ドラニスの判事》
こちらもヘイトベアー枠です。
追放領域や墓地からのキャストを止めることができます。現在のモダン環境では続唱や脱出などが狙い所になることが多いかと思います。
《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》と比較して止められないカードも多いですが、白シングルで出せる点、タフネス3によって《火》で焼かれない点は魅力的と考えています。

《万物の姿、オルヴァール》
モダン環境屈指のデッキパワーを誇る【不屈の独創力】のフィニッシャーを務める《残虐の執政官》対策として一世を風靡したカード……ですが、実はわたしはこのカードを使ったことがありません。
現在では【不屈の独創力】プレイヤーもこのカードへの対策としてフィニッシャーをずらしてくる印象がありますが……採用している方の意見を伺いたい部分です。

《ヴェクの聖別者》
2種のプロテクションによって、刺さるデッキにはまさに1枚で勝てるほどの威力を発揮するカードです。とはいえ、刺さるデッキは当然このカードへの対策も完備しているため、過信は禁物と考えています。

《冥途灯りの行進》
X呪文の宿命として普通に使うにはやや重いですが、インスタントである点や、《ウルザの物語》を1マナで割れる点は魅力的です。似たカードである《虹色の終焉》とは異なり、PWは対象に取れません。


キープorマリガン

大前提として、このデッキには例えば《表現の反復》のような甘えた複数枚から選べるようなドローソースは入っておらず、そもそも追加でドローできるカードは《エスパーの歩哨》や《純鋼の聖騎士》のような条件付きのものが殆どです。
コンボパーツとして単体でのカードパワーが高くないカードが大量に入っているという事情もあって、毎ターンのドローによるブレはどうしても発生してしまいます。
しかし、このデッキでも無条件に7枚ものカードを引ける唯一無二のタイミングがあります。それがゲーム開始時です。そしてこのデッキは、相手からの妨害を一切想定しない場合、5枚も手札があれば十分勝利を目指せます。

「勝てる」手札を求めて積極的にマリガンをすることはこのデッキを使うにあたっては必要不可欠と考えていますが、それではどのような手札が「勝てる」手札なのかを判断するのは難しいところ。

ここで考えたいのが、冒頭で挙げた【ハンマータイム】が取り得るルートたちです。
現状の認識では、対戦相手のデッキが不明なメイン戦では、いずれかのルートを目指せる見込みがあるならキープ、逆にいずれのルートも目指せそうにない場合はマリガン、という風にわたしは判断しています。マッチアップによってルートの強弱は変わってきますので、対戦相手のデッキが判明したサイド後のゲームでは、相手のデッキに強いルートでキープすることになるかなと考えています。

実際に数パターン、手元のデッキを使ってどんな初手が来るか、それはキープかマリガンか、見ていきたいと思います。想定としてはメイン戦、対戦相手のデッキは不明、こちらが先手としておきます。

パターン①

私の考え:キープ
《シガルダの助け》と装備先を確保できている初手です。「ハンマー装備ルート」が目指せそう。
肝心の《巨像の鎚》がありませんが、デッキ内には《巨像の鎚》換算できるカードが12枚(《巨像の鎚》×4、《石鍛冶の神秘家》×4、《ウルザの物語》×4)入っており、《エスパーの歩哨》を2枚引けていることから、追加ドローもしっかり見込めそうです。対戦相手のデッキが不明なのであれば十分キープできる手札と考えます。



パターン②

私の考え:キープ
初動としてベストなカードである《エスパーの歩哨》のほか、装備コストを踏み倒す《純鋼の聖騎士》と《巨像の鎚》を引けています。これだけでも「ハンマー装備ルート」を目指せますが、更に《ウルザの物語》があり、構築物トークンで攻めていくルートも見えているため、相手の出方によってルートを選択できる強力な手札であると考えます。



パターン③

私の考え:マリガン
初動で《エスパーの歩哨》を置けるうえに《純鋼の聖騎士》を引けているのは十分嬉しい点です。目指せそうなのは「ハンマー装備ルート」ですが、金属術達成のためのアーティファクトが足りない点、《石鍛冶の神秘家》を引いてこないと出せない《カルドラの完成体》を引いてしまっている点が減点要素かと思います。
また、この手札ですと《エスパーの歩哨》が対処されてしまった場合は《純鋼の聖騎士》の金属術達成がより遠のいてしまい、逆に《純鋼の聖騎士》を対処されてしまった場合は1/1で攻撃していくしかありません。かといって、防御札でクリーチャーを守るために展開するターンを遅らせたとしても、結局ゲームに勝つためには現状カードが足りず、ドロー頼みになってしまっています。今回のパターンは《カルドラの完成体》のおかげで実質6枚の手札なので、このような場合は思い切って7枚引きなおすことを選んでみた方がいいのではないか、というのが現在の認識です。


ということで、マリガンを選択して7枚引きなおした後の手札が以下となります。


パターン④

私の考え:キープ
コンボパーツが全て揃っています!キープ!



終わりに:次回へ続く

という訳で、【ハンマータイム】が取り得るゲームプラン、採用カード、キープ基準について考えてみました。

次回はこのデッキを使う上で扱いが難しいと感じたカード達についてより掘り下げて考えてみるほか、現在の認識で可能な限りのマッチアップ考察を行ってみたいと思います。

今回は以上となります。ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました!




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