猫さん好きには絶対覚えて欲しい。甲状腺のおはなし。その1
〜はじめに〜
甲状腺機能亢進は猫において最も多く診断される
内分泌疾患です。
え?つまりは糖尿病より多いということですね。
甲状腺機能亢進症では
甲状腺ホルモンの過剰分泌によって
全身の代謝亢進が生じることで
様々な臨床症状が生じます。
今回は第一回ということで「病態」について語ります。
病院でこんなことが起こりますよと
全部をinformすることはなかなか物理的に難しいです。
「何で?」おこるかまでは中々説明できません。
だって説明し過ぎでも上手なinformとは言えないと思うんです。
そういう疑問にこのブログが活用できればなと思います。
〜甲状腺ホルモンが出過ぎちゃう原因〜
猫のそれはほとんどの場合は一次性です。
つまりは甲状腺自体の異常によって
甲状腺ホルモンの分泌が過剰になります。
症例の甲状腺はホルモンを過剰に出してしまう。
機能性腫瘍(腺腫もしくは腺癌)か過形成が生じています。
腫瘍や過形成によって機能亢進症の猫では多くで甲状腺が腫大しており
触診やエコー検査で腫大を検出することが出来ます。
〜人のバセドウ氏病とはどう違うの?〜
そもそも甲状腺ホルモンというのは
勝手に湧いて出てきちゃうもんじゃなくて
足りてなかったら、出しましょうという脳による制御がキチンと行われてます。
その制御機構が自分の免疫で変になっちゃうのがバセドウです。
つまりは脳から甲状腺に指令するホルモンの機序ごとおかしくなります。
猫さんは「甲状腺そのもの」が悪くなるので
脳からの指令は普通にちゃんとしています。
(医学的にいうと甲状腺ホルモンは出過ぎで体に満ち足りているので
しっかりと脳からの指令は抑制されてます)
今回はここで終了です。
次回は体にどんな影響を及ぼすかを書きます。
セミナーの言葉を借りれば
甲状腺機能亢進は診断が簡単になったけど
見逃されることが多いということです。
何でかって
獣医が甲状腺ホルモンが体に及ぼす影響を本質的に理解していれば
色々な兆候から甲状腺機能亢進を疑ってかかれます。
しかしながら
獣医師自体がT4(甲状腺ホルモン)高いから甲状腺機能亢進みたいな診断をしているので
T4測定するタイミングを逸してしまい
的外れな治療をしてしまうということです。
次回も是非お読みくださいませ。