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古生物バンザイ#2 海の古生物

 生命がどのようにして誕生したかは未だに謎ですが、生命誕生の時期は今からおよそ40億年前だとわかっています。さらに生物の最小単位である細胞の誕生は20億年前で、ごく小さなサイズの動物出現はその10億年後になります。しかしその数億年後のカンブリア紀(約5億3千万年前)に突然、様々な形をした動物達が爆発的に現れました。その動物たちの多くは、今の動物からは想像もできないような奇妙な姿をしていました。しかしこの時代に、私たち人間や動物達の共通の祖先となる生き物も登場しました。

 今から5億3千万年前の陸には動物の姿は無く、荒涼とした大地には草も木も生えていませんでした。しかし海の中では、多種多様な生物たちの世界が広がっていました。この時代の動物達は、生物学者の常識をはるかに超えた奇妙な生き物も数多く発見されました。この時代で最も有名な動物は、タイトル図中央のアノマロカリスです。アノマロカリスは、最大60㎝にもなるカンブリア紀最大の生物です。体の両側には14対のヒレが付いています。アノマロカリスは、このヒレを順番に一定のリズムに動かして泳いでいたと考えられています。アノマロカリスは、悠々と泳ぎながら海底を這う生き物を狙う恐ろしい肉食動物でした。

 この時代の生物の中でも特に変わった姿をしているのが、オパビニア(タイトル図の左端中央)とハルキゲニア(タイトル図の左端下)です。オパビニアは、頭の先から象の鼻のようなパイプが伸びていて、頭部には五つ(!!)の目が付いています。オパビニアの頭上についた5つの目は、餌を探すためより、敵を発見するために役立ったと考えられています。オパビニアはアノマロカリスなどの恐ろしい敵を少しでも早く発見できるように5つの目を進化させました。”目の誕生”は、生物史上でも画期的な出来事でした。

 ハルキゲニアはトゲトゲの姿をした生物です。この生物はあまりに奇妙な形をしていたので、化石からの復元図(想像図)が何度も更新されています。まず判らなかったのが、ハルキゲニアの上下や前後でした。ハルキゲニアのように復元図が更新された生物が結構います。オドントグリフスは、口の周りに小さな歯のようなものを持つため”歯の生えたナゾ”という名前を持つ生物です。このオドントグリフスの復元図も、最近ようやく確定してきました。

 エビのような頭のネクトカリスや、花のような形をしたディノミスクスなど、不思議な姿をした生物はまだまだいます。この中には、現在の生物の分類には当てはまらない奇想天外な生物もいました。カンブリア紀は”進化が大爆発”した時期だったのです。この頃に誕生した、地味な小さな生物・ミロクンミンギアが我々のような脊椎動物のご先祖様です。

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