節分は、旧暦で決められた各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のことを指します。節分とは文字通り”季節を分ける”ことを意味しています。つまり、節分は年に4回あります。しかし、江戸時代以降は特に立春(毎年2月4日ごろ)の前日を指す場合が多くなりました。今年は2月3日でしたが、閏年の関係で2月2日になったり2月4日になることもあります。
昔の日本では、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると信じられていたため、それを追い払うための悪霊祓いの行事が執り行われていました。今のように、鬼に豆を撒くようになったのは、室町時代頃からだと言われています。これは、マメには”魔を滅する”力があると信じられたためです。単なる駄洒落のようですが、言葉に宿る力である言霊を信じていた日本人には、至極当たり前だったのかもしれません。
半世紀以上前になりますが、私が小1の頃の図画工作の時間に、空になった菓子箱と毛糸を使って”鬼の面”を作った記憶があります。たしか、家に持って帰らされて、豆撒きに使ったと思います。その頃は、各家庭でも豆撒きをやっていたと思います。我家でも大豆やピーナッツを撒いていたような気がします。
ここ40-50年は、ほぼほぼ豆撒きを体験したことがありません。おそらく、子供たちが小さい頃に幼稚園で作った鬼の面を使った豆撒きが、私の記憶に残る最後の豆撒き体験だと思います。
日本人は鬼(邪気)を恐れる割には、鬼を身近に感じています。秋田には有名なナマハゲがいますし、日本各地で鬼に関する行事があります。節分の豆撒きもその一貫です。また、昔話にも鬼は数多く登場します。大抵は悪役ですが、『泣いた赤鬼』にように良い鬼もいたりします。そういえば『鬼滅の刃』も鬼が出てくるマンガです。日本人は鬼に”怖いもの見たさ”のような不思議な感情があるのかもしれません。
最近は、鬼に関係ない『恵方巻』なる習慣が浸透しつつあります。これもコマーシャルベースなのでしょうが、私は一度も恵方巻を食べたことがありません。
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