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コンプライアンス社会へのアンチテーゼ

テーゼと言うのは弁証法で使われる専門用語で、日本語で言えば”肯定的な命題”のことを指します。また、その命題の反対の命題のことをアンチテーゼと言います。例えば「自由は存在する」というのがテーゼなら、その反対の「自由は存在しない」というのがアンチテーゼになります。

アニメの主題歌に『残酷な天使のテーゼ』と言うのがありました。”残酷な天使のテーゼ”の内容は知りませんが、天使にとってはテーゼでも、人間にとっては”残酷な”アンチテーゼなのかもしれません。

最近面白いと思って視ているテレビドラマに『不適切にもほどがある』というのがあります。これは、”過剰なコンプライアンス社会を皮肉った”コメディドラマです。コンプライアンスは、”要求や命令などに従うこと”を意味する英語からきた言葉ですが、日本語では”ルールの遵守”などの意味で使われています。

コンプライアンスは、もちろん重要です。様々なハラスメントを避けるためにも”やってはいけないこと”を理解して、ルールをきちんと守らなければなりません。しかし、”守らなければならない/守らせなければならない”と言う意識が過剰になると、ギスギスした世の中になってしまいます。

最近は他人への容姿イジリが厳しくチェックされます。「お前、不細工だなぁ」は完全にコンプライアンス違反です。ただし、容姿を褒める場合にも気を付ける必要があります。不用意に「○○さんはいつも綺麗だね/可愛いね」などと褒めると、○○さんの感じ方次第でセクハラになってしまいます。

極端にコンプライアンスを軽視する一部の人達のせいで、普通に暮らしている大多数の人達が窮屈な生活を強いられます。何とかならないものでしょうか?。

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