懐かしの海外TVドラマ#3 逃亡者
「リチャード・キンブル。職業・医師。正しかるべき正義も、時として盲(めし)いることがある。彼は身に覚えのない妻殺しの罪で死刑を宣告され、護送の途中、列車事故に遭って、からくも脱走した。孤独と絶望の逃亡生活が始まる。髪の色を変え、重労働に耐えながら、犯行現場から走り去った片腕の男を捜し求める。彼は逃げる。執拗なジェラード警部の追跡をかわしながら・・・現在を、今夜を、そして明日を生きるために」
この有名なナレーションで始まる『逃亡者』は、母が大好きな連続ドラマでした。母はイケメン好きで、主人公・キンブルを演じている紳士的な風貌のデビッド・ジャンセンがお気に入りのようでした。もう一人のお気に入りは、『コンバット!』のサンダース軍曹を演じているヴィック・モロウでした。ただし、サンダース軍曹は男臭い感じで、知的なキンブルとは対照的でした。
今の若い人には信じられないかもしれませんが、両方のドラマとも、白黒のブラウン管テレビで見ていました。私もかなり幼かったので、ドラマの内容までは覚えていませんが、最初のナレーションのシーンだけは記憶にありました。”逃亡者”のタイトル通り、とにかく、主人公は逃げ回ります。ストーリーを把握できていなかった私は、このドラマについて「このドラマのあらすじは?」と母に聞いたことがありました。「無実の罪を着せられた主人公が、捕まらないように逃げているのよ」と教えてくれました。それで、主人公の鬼気迫る演技の理由がわかりました。
子供ながらに、無実の罪、冤罪の恐ろしさを知りました。さすがに、殺人の冤罪はかなり珍しいでしょうが、痴漢やセクハラの冤罪なら誰にでもありそうです。”正しかるべき正義も、時として盲いることがある”というナレーションが心に響きます。
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