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オヤジの読み聞かせ#2 『もこ もこもこ』
子供がまだ字が読めない時に読み聞かせていた本に、谷川俊太郎さんの『もこ もこもこ』がありました。この本は、海から雲が湧き出る様を”もこ”や”もこもこ”といったオノマトペで表現しています。この絵本は、まだ長い文章が理解できない小さなお子さん向けの本です。
この本を大型書店に買いに行ったときに、店員さんに「”もこもこ”という絵本を探しているのですが・・・」と尋ねると、「”もこもこもこ”ですね」と訂正されてしまいました。確かに”もこ”は三回繰り返されるのですが、本の表紙をよくみると、最初の”もこ”と後の”もこもこ”の間にはスペース(空間)があることに気付きました。些細なことですが、正確には”もこ もこもこ”なので、最初の”もこ”の後に一呼吸(一拍)置かないといけない事がわかりました。
本の題名や著者名は、結構いい加減に覚えていることが多く、この本の作者も、濁る”たにがわ”ではなく、濁らない”たにかわ”です。書店員さんや図書館の司書さんは、客や利用者さんの”勝手な思い込み”に振り回されることが多いようです。このような”本や作者の覚え間違い”を集めた本が、福井県立図書館(編)で出版されています。いくつか例を挙げます。
「とんでもなくクリスタル」?⇒「なんとなくクリスタル」
「下町のロボット」?⇒「下町ロケット」
「蚊にピアス」?⇒「蛇にピアス」
「からすのどろぼうやさん」?⇒「からすのパンやさん」
「ねじ曲がったクロマニョンみたいな名前の村上春樹の本」?
⇒「ねじまき鳥クロニクル」
「昔からあるハムスターみたいな本」?⇒「ハムレット」
「だいぶつじろう」?⇒「大仏次郎」
これら全部わかりますか?。利用者さんの覚え違いに感心するし、司書さんの検索能力に脱帽です。Amazonの本の紹介では、『クイズ感覚でも楽しめる、公共図書館が贈る空前絶後のエンターテイメント』と紹介されています。
ちなみにこの本のタイトルである『100万回死んだねこ』?は、『100万回生きたねこ』が正解です。