ハイドロプレーニング現象の思い出
あまり聞いたことが無い『ハイドロプレーニング現象』とは、「濡れた路面を高速で走行した際にタイヤと路面との間に水膜ができることによって浮いた状態になり、ハンドルやブレーキがコントロールできなくなる現象」を指します。この現象は、とくに高速道路で起きやすい傾向があります。
ハイドロプレーニング現象を初めて知ったのは、自動車学校に通っていた時でした。学科試験の練習問題に、ハイドロプレーニング現象のことが出ていたのを覚えています。その時は初めて聞いた言葉でしたが、hydroplaningが頭に浮かんだので、水(hydro)?、平面(plane)?ということで、”水の膜”が出来るんだろうと推測しました。学科試験の問題は選択式なので、それらしい答えを見つけて何とか正解しました。
それ以後、ハイドロプレーニング現象とは縁遠かったのですが、20年後くらいに目の前で見ることになりました。その日は雨で、出勤するためにバス停でバスを待っていました。バスを待つ客は多くて、歩道からはみ出す程の行列になっていました。バス停の近くには高校があって、その歩道を自転車通学の学生がよく利用していました。
歩道の脇には、側溝を覆う金属パネルがありました。小雨の中でも自転車で通う学生も多く、その学生さんは、できるだけ濡れたくないのでスピードを出していました。しかし、バス停待ちの人達に気付いて急ハンドルを切り、金属パネルの上を通ることになりました。その瞬間です。学生さんは、スッテンコロリと自転車ごとひっくり返ってしまいました。
こんな時に不謹慎ですが、「ハイドロプレーニング現象だ!」と脳内で叫んでいました。学生さんは、恥ずかしそうに自分の態勢を立て直して、ソソクサと高校へ向かって再び走り出しました。かなり痛かったと思いますが、やせ我慢して走り出したようでした。
ハイドロプレーニング現象は身近でも起こります。雨の日に自転車に乗る場合は、金属板にはクレグレも気を付けましょう。