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Jazz業界の古い慣習
最初にお断りしますが、Jazz音楽の事には全く触れません。この記事は、Jazz(ジャズ)を”ズージャ”のようにひっくり返す、いわゆる”業界用語”のお話です。
今から70年以上も前の話ですが、太平洋戦争に敗れた日本は、アメリカ軍に占領されることになりました。それまで、「くたばれミニッツ、マッカーサー」と言っていた日本人が、急に民主主義や欧米文化を受け入れることになりました。戦後に入ってきたJazzも、音楽に飢えていた日本人に、喜んで受け入れられたものの一つです。娯楽については、それまで(特に戦時中)は日本的な一部のものしか許されませんでした。
占領軍(進駐軍)が住んでいるアメリカキャンプでは、レクレーション施設としてダンスホールなどが備えられました。そこで演奏されていたのが、Jazzでした。戦時中に焼け野原になった都会も、徐々に復興していきました。その復興途中で、ダンスのための軽快な音楽であるJazzは日本人の心を掴んだようでした。
Jazzを演奏していたのは、最初はアメリカから来た演奏者たちでした。しかし、次第に日本人のJazz演奏者も増えていきました。その頃から使われ始めたのが、例の”逆さ言葉”です。アメリカ人は日本と違って苗字と名前の順序が反対です。例えば、山田太郎はTaro Yamadaとなります。これは私の勝手な憶測ですが、この逆順を面白がったJazzメンたちが、始めたんじゃないかと思っています。
さすがに、今では”ザギンでシースー(銀座で寿司)”や”ギロッポン(六本木)”などという人は、一部の”ギョーカイ人”を除けば少ないはずです。私はテレビのコントや漫才以外で、この逆さ言葉を常用している人に会ったことはありません。しかし、直接的に発音するのを憚られる単語を言う時には、ちょっと便利です。”パイオツ”や”ビーチク”などはその例です。
通勤途中で、こんな記事の原案を頭の中で考えていたら、ラジオから急に”ビーチクリン”と言う言葉が聞こえてきました。まさかラジオから”ビーチク”?と思ったら、実は”ビーチ・クリーン”でした。ラジオの話題は、”浜辺の清掃ボランティア”の話でした。「なんだ、ボランティアの話か・・・」と、ちょっと安心しました。