探偵とは、他人の秘密を密かに調査する行為、またはそれを仕事とする人のことです。探偵業の法律(探偵業法)では、探偵業務とは、”人(法人又は個人)からの依頼を受けて、対価(お金)を受け取り、面接による聞込み、尾行、張込み、その他これらに類する方法により、特定人の所在又は行動についての情報を収集し、その結果を依頼者に報告するもの”と定義されています。
このため、ミステリやサスペンスなどの小説で描かれるような探偵の名推理は、探偵業務にはなりません。したがって、明智小五郎や名探偵コナン君のように、警察の捜査に介入したり、警察から推理の依頼を受けたりすることもありません。
実際の探偵業務は、浮気調査や素行調査/身辺調査がメインです。正式な統計かどうかはわかりませんが、平成の間に探偵業は2倍になったそうです。そう言えば、YouTubeで浮気&離婚の動画が数多くアップロードされています。昔は、浮気といえば男性がするものと思っていましたが、ここ最近では女性の浮気も多いようです。こんなとこでも、男女平等です。
実際、探偵というのは、ドラマや小説だけのものと思っていました。私が最初に思い浮かべる探偵ドラマは『傷だらけの天使』です。1974年10月から1975年3月まで、毎週土曜日夜10時に日本テレビ系で放送された萩原健一さん、水谷豊さん出演のテレビドラマです。遅い時間帯のドラマでしたが、若者に絶大な人気でした。というのも、今ではテレビで放送できないようなエロチックなシーンがあったためです。
その印象は強くて、私も冒頭の軽妙でポップな主題歌のメロディと、「あにきぃ~」と水谷さんが萩原さんを呼ぶ声が、鮮明に思い出されます。また、岸田森さんと岸田今日子さんの何となく怖い演技も思い出します。このドラマは、若者コンビの怒りと挫折を描いた、アンチヒーロー型の探偵ドラマでした。
次に思い出すのは、松田優作さんの代表作でもある、その名もズバリ『探偵物語』です。このドラマは、黒ずくめのスーツを着た私立探偵・工藤俊作が、様々な事件を捜査していくドラマです。探偵役の松田さんはもちろんカッコいいのですが、「工藤ちゃ~ん」が口癖で、いつも松田さんの捜査の邪魔をする服部刑事役の成田三樹夫さんの怪演が強く印象に残っています。
名探偵には殺人事件が良く似合いますが、実際の探偵は地味な浮気調査です。そう言えば、時々郵便受けに探偵事務所の広告が入っていることがありました。最近の離婚率は1/3以上ですから、利用する人も意外と多いのかもしれませんが、知り合いに探偵は居ませんし、探偵を利用したこともありません。
これからも探偵を使わず/使われずに済むことを祈っています。
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