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昔、家でキジを飼ってました。

 私が中学生の頃です。父が家の裏に、ニワトリ小屋みたいたものを作り始めました。私も強制的に手伝わされましたが、何を飼うのか教えてくれません。その小屋が完成間近の頃、キジを飼うことをようやく教えてくれました。私の実家は田舎ですが、それでも自然のキジは見たことがありませんでした。

 キジ(雉)は日本の国鳥ですが、国内の多くの自治体で市町村の鳥にも指定されています。キジは昔は雉子/木々須(きぎす)と呼ばれていたようで、日本人には馴染みの鳥だったようです。しかし、キジ焼きという料理名があるように、キジは狩猟鳥とされ、キジ肉は食用です。ただし、私は食べたことがありませんが・・・。

 キジ小屋が完成して少し経った頃、父が知り合いから雌雄のキジの幼鳥を買ってきました。オスは成長すれば、タイトル図のように綺麗な羽になりますが、家に来た時にはまだ少し大きなヒヨコぐらいの大きさでした。父が自分のために買ってきたキジですが、朝のエサやりや給水は、私や弟の仕事になりました。

 エサはニワトリ用のエサでしたが、すくすく育って、1年ほどすると随分大きくなりました。メスは茶色のままでしたが、オスは尾羽も伸びて、キジらしくなってきました。しばらくすると、メスが卵を産むようになりました。しかし、天然のキジではないためか、小屋が小さくてストレスが貯まるためか、オスがくちばしでつついて食べてしまいました。このことがあった後から、卵の回収も私達兄弟の仕事に追加されました。

 卵の回収は、キジたちを卵の反対側に追い込んで行うのでが、最初は苦労しました。卵を産み始めて2年目の時でしたが、卵の回収時に弟がヘマをしてオスを逃がしてしまいました。父に怒られるとビクビクしていましたが、父は意外とあっさりと「逃げたものは仕方ない」と、新しい雄キジを手に入れる算段をし始めました。しかし1-2週間後、幸いなことに色々な目撃情報から、逃げたキジを生きたまま回収することができました。

 キジを飼った目的を話していませんでしたが、実は”剥製にして床の間に飾るため”でした。飼い始めて3年目の、尾羽が立派になったときに、オスのキジは、可哀そうなことに剥製になりました。しかし、2-3年床の間を飾った後、知り合いに贈られて、知り合いのうちの床の間を飾ることになりました。代わりに、家の床の間を飾ったのは、キジの後に飼った金鶏でした。この金鶏きんけいは、今も実家の床の間を飾っています。父の趣味ですが、「何だかな~」と思ってしまいます。

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鮮やかな毛色の金鶏


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