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訪問販売には気をつけろ!

 大学生の時でした。友人宅でパソコンゲームをしていたら、コンコンと部屋のドアがノックされました。誰かなと、友達がドアを開けると、そこには可愛い女性が立っているように見えました。

 友達は、二言三言話していましたが、やがてその女性は帰って行きました。興味津々で、何だったのと私が聞くと、「英語教材の訪問販売だ」と吐き捨てるように言いました。話を聞けば、一人暮らしの大学生を狙った訪問販売でした。その友人は、「女性に免疫が無い理系男子は、騙される確率が高いぞ。お前も気を付けろよ!」とありがたいアドバイスをしてくれました。それまで私の家に、可愛い訪問販売員さんは来たことがありませんでした。来たのは、珍味売りのお婆さんと、消火器を持った強面のお兄さんでした。

 それからゲームの続きに戻って、ダラダラしていたら、別の友達が「飯食いに行こうぜ!」と誘いに来ました。その友達に、さっきの訪問販売の話をしました。するとその友達は、「俺は買ったぞ。お姉さんの話を聞いたら、すごい教材で、全部やったら英語がペラペラになるらしい」と言いました。金額を聞くと、総額20万円以上でした。当然、全額ローンです。いまの貨幣価値でも高価だと思いますが、その当時の価格なので猶更に高価だと思いました。”騙された奴がここにいたー”と心の中で叫び、先程の友人と顔を見合わせました。

 このあと、一度だけ可愛い販売員さんが私の下宿に来たことがありました。その時は、英語教材ではなく図鑑のセット販売でした。図鑑は大好きなので、心惹かれるものがありましたが、狭い4畳半に置くスペースもないので、丁重にお断りしました。

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