見出し画像

ヤキメシとチャーハン

私が子供の頃は、土曜日は”半ドン”と呼ばれる半休でした。土曜日は給食が無いので、午前中の授業が終われば下校です。この土曜日のお昼によく食べていたのが、ヤキメシです。このヤキメシの具はシンプルで、カマボコ・タマネギ・タマゴだったと思います。味付けはシンプルで、塩コショウのみですが、仕上げには香りづけに醤油を加えます。大体、土曜日の昼の定番と言えば、ヤキメシ、チキンライス、ヤキソバ、チャンポンなどでした。

その当時は『チャーハン』という言葉を知りませんでしたから、具が入った炒めたご飯は全てヤキメシだと思っていました。少し大きくなって、中華料理に同じような”炒めご飯”があって、チャーハンと呼ばれていることを知りました。その時には、ヤキメシ=チャーハンなんだと思っていましたが、厳密に言えば違う食べ物のようです。

ヤキメシとチャーハンの大きな違いのひとつは、調理法なのだそうです。まずヤキメシは、先に具材とごはんを炒めるのが一般で、最後に卵を加えて仕上げます。確かに、私の母親はそのような手順で作っていました。最初にご飯を入れると焦げ目が付きやすく、それがヤキメシの香ばしさを生むそうです。また、焼き飯はフライパンを使って作ることが多いのだそうですが、我家の場合は中華鍋で作っていました。ヤキメシは、どちらかといえば手軽な家庭料理というイメージのようです。

一方チャーハンは、最初に卵を入れて作り始めます。次にご飯、ほかの具材の順に加えていきます。本格的な味に近づけるなら、油を多く使って強火で炒めるのがセオリーなのだそうです。ヤキメシは一般的にはフライパンで作りますが、チャーハンは中華鍋を使う場合が多いようです。また、チャーハンは卵の食感が重要で、卵にコーティングされたパラパラの食感が個人的には大好きです。

高校生くらいまでは、家で食べるヤキメシがほとんどでした。しかし、大学生になると、街の中華屋さんやチェーン店の中華屋さんなどでチャーハンを食べるようになりました。私にとっては、ヤキメシはおふくろの味で、チャーハンは外食のイメージです。

独身の頃は、ヤキメシやチャーハンではなく、自室では冷凍ピラフをよく食べていました。その頃にも冷凍チャーハンはあったと思いますが、その頃(30年前)の冷凍チャーハンはあまり美味しくありませんでした。もちろん、現在は冷凍技術が進歩し、調理法や味も改良され、美味しい冷凍チャーハンが食べられます。

具材入りのご飯には、ヤキメシ、チャーハン、ピラフなどがありますが、郷愁を誘うのは、やはり昔食べたヤキメシです。時々、自宅でヤキメシを作ることはありますが、昔食べたヤキメシを再現することできません。何が違うんだろう?。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?