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初めてのキャンプの思い出

テントで寝る本格的なキャンプを経験したのは、小学校6年生の時でしたから、今から50年前の話です。いまはソロキャンプなども大人気ですが、その頃のキャンプはそれほど一般的ではありませんでした。

この時のキャンプは夏休み中の学校行事で、私が小6の時に小6・小5の小学生を対象にして始まったので、私たちはキャンプ1期生になります。場所は海辺のキャンプ場で、キャンプ場が設営したレンタルのテントに宿泊しました。担任の先生からは、”テント”というものに4人づつ雑魚寝ざこねすることと、”ハンゴウスイハン”することを説明されました。

今ならもちろんハンゴウスイハン=飯盒炊飯ということは分かりますが、その時は初めて聞く言葉だったのでどんなものか全くわかりませんでした。学校からの説明プリントを親に見せると、「ああ、飯盒ね」といって理解しているみたいでした。当時の我家には飯盒は無かったので、母親がどこかで調達してきてくれました。その時に初めて、実物の飯盒を見ました。

キャンプでの夕食は、班ごとに話し合いで決めることになりました。子供達中心のキャンプでは比較的簡単に作れるカレーが定番ですが、私の班は意欲的な子が多くて、「焼肉やろうぜ!」ということになりました。焼き肉用の肉はクーラーボックスに入れて持って行くことになり、重たいジンギスカン用の鍋(プレート?)も持って行きました。

母親に焼肉の話をすると、「焼肉するなら、トウモロコシを持って行ったらいいよ」といって、頼んでもいないのにトウモロコシを買ってきて、リュックに詰められました。飯盒炊飯は一斉にやるので、特に問題なく出来ました。いよいよ夕食時。高級な牛肉ではありませんでしたが、班のみんなで食べれば美味しく感じて、「うまい、うまい」といって食べました。

ところで、母に持たされた生のトウモロコシですが、どう料理しようか考えあぐねていたら、担任ではない女性の先生が声をかけてくれました。「おいしそうな、トウモロコシね」。「でも、どうやって料理していいか分からないんです・・・」。すると、その先生は「私が焼いてあげるから、半分ちょうだい」と言いました。私は、捨てようかどうか迷っていたところなので、渡りに船でお願いすることにしました。

その女性の先生を10-15分くらい待っていると、良い感じに焼けたトウモロコシを持って来てくれました。先生は飯盒炊飯の残り火で焼いてきたようでした。約束通り、半分コにして食べました。あの時の先生は存命かなぁ?。

トウモロコシを食べている時でした。一学年下の5年生たちが、何やらもめているような話声が聞こえてきました。もめている内容は本当にどうでもいいことで、夕食はレトルトカレーに決まっていて、みんなで同じ『ククレカレー』を食べるはずだったのに、一人だけ『ボンカレー』を買ってきたことが原因でした。本当に些細な問題でも、こんなことが仲間外れやイジメの原因になったりします。必要以上に周りに合わせようとする日本人の悪い面を見た思いでした。

夕食後には、”はじめてのキャンプファイヤー”も経験し、テントで寝る時間になりました。しかしテントの中は蒸し暑く、なかなか寝れませんでした。翌朝はラジオ体操からのスタートですが、寝不足でボーっとしていたのを覚えています。

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