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眼球がオアシス状態

最近、年のせいなのか、涙モロクなりました。若い頃は、全然そんなことは無くて、むしろ涙とは縁遠い性格でした。高校時代に文化祭で、部活のイベントとして映画を上映することになり、『メリーゴーランド』という映画の8ミリフィルムをレンタルしました。『メリーゴーランド』は1974年製作の名作イタリア映画で、”幼くして母を失った十歳の少年が不治の白血病に襲われ、死ぬまでを父と子の情愛をとおして描く”というストーリーでした。この短いストーリーを読んだだけでも、涙が出てきそうです。

上映会は好評で、1日に2回くらい上映しましたが、教室がほぼ埋まるくらいの盛況でした。ストーリーがストーリーなだけに、上映後に教室から出ていく女子高生のほとんどが泣いていました。こんな感動的な映画でも、その当時の私は「ケッ、どうせ作り物でしょ」と思って少しも涙が出てきませんでした。この時の私は、”心も眼球も砂漠”状態でした。

今の私は真逆で、心はとにかく、”眼球がオアシス”状態です。映画やドラマでちょっと感動しようものなら、すぐに涙が出てきます。少し前になりますが、アニメ映画『カールじいさんの空飛ぶ家』の冒頭で、大号泣しました。ところで、映画宣伝の常套句で『全米ぜんべいが泣いた!』というのがありますが、いったい人口の何%以上泣けば”全米”になるのでしょうか?。誰かご存知の方はいませんか?。

少し前に”全米”をモジった『全俺ぜんオレが泣いた!』という表現に出くわしました。これなら、簡単に実現できそうです。

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