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コミックソングの源流 燃えよドラゴンズ

最近、YouTubeで偶然耳にして、頭から離れない曲があります。それは『燃えよドラゴンズ!』です。私は、最近は殆どプロ野球に関心がありませんし、ましてやドラゴンズファンでもありません。この曲の存在は知っていましたし、メロディーの一部は記憶にありました。いまはテレビで見ることが無くなった板東英二さんが歌っていることも知っていました。

私の古い記憶にある中日ドラゴンズの優勝は、川上監督のジャイアント10連覇を阻止した時の優勝です。この時は、中学生だっと思いますが、当時はブルース・リーの『燃えよドラゴン』が人気で、カンフーブームが沸き起こっていました。この歌も、それに便乗したタイトルになっています。

この曲はご存知の通り、プロ野球・中日ドラゴンズの応援歌です。応援歌と言えば、阪神の『六甲おろし』が有名で歴史も古いのですが、この曲も半世紀前に作られました。この歌は作詞・作曲を担当した山本正之さんが、名古屋のラジオ番組にデモテープを送ったことがきっかけで誕生しました。つまり、山本正之さんの作曲家デビューを飾った楽曲です。

アニソンファンならご存知でしょうが、山本正之さんはその後、タイムボカンシリーズの主題歌の作詞・作曲を手がけています。その山本さんの原点がこの曲にあったことを最近になって知りました。燃えよドラゴンズとタイムボカンシリーズの主題歌に共通しているのは、”昭和演歌のテイスト”です。「遠い夜空にこだまする♪ 竜の叫びを耳にして♪ ・・・」。山本さんの歌は、洗練されていない、泥臭いメロディがなぜか郷愁を誘います。

山本正之さんは、燃えよドラゴンズのヒットの翌年には、笑福亭鶴光さんの『うぐいすだにミュージックホール』や間寛平さんの『ひらけ!チューリップ』などのヒット曲を発表しています。これらは、昭和を代表するコミックソングです。タイムボカンの主題歌の作者が、これらの歌を作っていたことには少し驚きましたが、よくよく考えれば納得です。燃えよドラゴンズのメロディラインは、タイムボカンの主題歌とよく似ています。

やっぱり、作曲のクセは隠せないみたいです。

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