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リンゴの印象 欧米と日本
イギリスには『リンゴを食べれば、医者いらず』という格言があります。英語では、『An apple a day keeps the doctor away』といいます。直訳すれば、”1日1個のリンゴは医者を遠ざける”です。
リンゴを毎日1個食べる習慣があると、健康になって医者に行く必要がないという格言ですが、科学的な根拠がある訳ではありません。ただし、欧米では伝承の知恵みたいなもので、毎日リンゴやその加工品を摂ることは、健康に良いという考え方が古くからあるのだそうです。
日本人だとリンゴは果物で、美味しいという感覚はあっても、体に良いと考える人は少なそうです。また、リンゴの色のイメージでも、欧米と日本では大きく異なります。日本では、リンゴは当然”赤”ですが、欧米では”緑”が一般的です。イギリスの大科学者・ニュートンの実家にも有名なリンゴの木がありますが、このリンゴはもちろん”緑色の青りんご”です。ビートルズが所属していたアップルレコードのロゴも、もちろん青りんごです。
日本語で、”ご機嫌取り”や”おべっか使い”は、『ゴマすり』と言います。しかし、ゴマすりは英語では apple polisherといい、直訳すると”りんご磨き”です。その理由には、先程の”医者いらず”が関係しています。
アメリカの新学期はリンゴが実る秋ですが、新学期には学生が先生にリンゴを渡す習慣がありました。そのため、先生に取り入ろうとする学生がせっせとリンゴを磨いて、ピカピカのリンゴを先生に贈ったそうです。要するに先生のご機嫌取りをしたわけです。このような訳で、磨いたりんごを持っていく生徒を指して apple polisher (ゴマすり) と呼びようになったとのことです。また、ゴマをする行為は apple-polishing と言います。
たぶん偶然なのでしょうが、ゴマすりの動作とリンゴ磨きの動作は、なんとなく似ています。