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瑠璃色は、”紫みを帯びた濃い青”のことです。といっても、色を言葉で表現してもピンときません。ルリという名前は、この色の元になったラピス・ラズリ(lapis lazuli)という石に由来します。たぶん後半のラズリ/ラズーリが、日本に渡来した際に”ルリ”という音へと変化したのでしょう。
ラピス・ラズリの主成分は、アフガニスタンが主産地の青金石と呼ばれる鉱物です。青金石には黄鉄鉱が混じることがあり、磨くと濃い青地に金色の斑点が輝きます。黄鉄鉱は”愚者の金”と呼ばれますが、金ではありません。
ラピス・ラズリの前半のラピスは、ラテン語で石のことを表わします。また後半のラズリはペルシャ語のlazhwardという地名が語源です。つまり、この石は、当初はラテン語で”lazhwardの石”と言われていました。その後、この石が青かったことから、後半の地名が青色を表わすlazuliに変化したようです。
ラズリ(lazuli)という単語のazulという語幹は、ヨーロッパの言葉に共通の”青色”の意味を持っていて、フランス語ではazur、スペイン語やポルトガル語ではazul、イタリア語ではazzurro、英語ではazureという単語になっています。