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11人いる! 11人しかいない?

岸田総理が次回の自民党総裁選に出ないという事で、自民党総裁選がにわかに注目されています。自民党の総裁は、一つの党の代表なのですが、自民党は与党の第一党なので、自民党総裁が国会での投票で多くの議員票を集めるので、自動的に『自民党総裁=総理大臣』という公式が成立します。

しかし、この公式は自民党が国会で与党第一党だから成立する公式です。実際、野党時代の自民党総裁だった河野洋平さんのように、総理大臣になれなかった人もいます。ただし、今回自民党の総裁になれば、間違いなく総理大臣になれます。そういう意味では重要な選挙ですが、残念ながら自民党員や国会議員でないと選挙権はありません。

総裁選に意欲を示している立候補予定者は、”11人いる”とテレビや新聞などのマスコミなどでは報道されています。総裁選には高いハードルがあって、国会議員20名の推薦が必要です。ですから、11人いても全員が立候補することは難しく、最終的には多くても半数くらいになるでしょう。

”11人”と聞くと、昔読んだ萩尾望都先生によるSF漫画『11人いる!』を思い出します。この物語は、宇宙大学の入学試験で宇宙船に閉じ込められた受験生たちを描いた密室劇ですが、”受験者数は10名のはずなのに11人いる”というところから物語が始まります。この作品はSF作品ですが、ミステリー・友情・恋愛なども盛り込んだ名作です。

今回の立候補予定者は11人という事になっていますが、実は12人います。正確に言えば、報道されない12人目の候補が、最も早く自民党総裁選に出馬すると明言していた人です。その人の名前は、青山繁晴参議院議員です。青山議員は、無派閥で支持母体や後援会もありません。今問題になっている資金集めのためのパーティーもやっていないし、どこからも献金をもらっていないそうです。そんな国会議員がいることを最近まで知りませんでしたが、知る人ぞ知る有名人のようです。

今回の総裁選、少なくても12人候補がいるのに、そのうちの一人を恣意的に報道しないのは如何なものかと思います。私は青山議員を応援しているわけでもないし、自民党員でもない普通のオッサンです。しかし、12人いるのに11人しか報道されない奇妙な報道姿勢には、首をひねります。

総裁そうさいの同音異義語に、葬祭そうさい相殺そうさいがあります。この総裁選で総理大臣にふさわしくない人が選ばれれば、自民党の終焉(葬祭)になりかねません。また、せっかく上向いてきた景気の動向が、新しい総裁によって相殺されるかもしれません。今後の動きから目が離せません。

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