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飛行機でのエピソード#2 ダブルブッキング

 国内線でのダブルブッキングは、ネット予約で座席指定までできるので最近はほとんどありませんが、昔の国際線では結構頻繁ひんぱんにダブルブッキングがありました。これは、キャンセルする客をある程度見越して、座席数以上の予約を受け入れていたからです。通常のキャンセル率以上なら問題ありませんが、キャンセル率が低いとダブルブッキングが起きてしまいます。

 はじめての国際線は、凧がトレードマークのマレーシア航空でした。搭乗手続きを済ませ、同乗者二人と飛行機に乗り込んで指定の座席に座っていると、見知らぬ外国人から声をかけられました。「そこはお前の席か?。番号を見せてくれ」。座席番号をお互いに見せ合うと、何と同じ番号でした。生まれて初めてのダブルブッキング体験でした。騒動に気付いたCAさんが、直ぐにやって来ました。私は同乗者との3人並びの席でしたから、後から来た人が、CAさんに促されて、空いた座席に移動することになりました。

 同乗者に、「はじめてのダブルブッキングでしたよ」と言うと、「そんなに珍しいことじゃないよ」と海外慣れしている同乗者が言いました。「へぇ、そうなんですね」と話していたら、また別の外国人がやって来ました。先程と同じように座席番号を確認し合うと、やはり同じ番号でした。なんと、トリプルブッキングでした。

 ”何という事でしょう”。運が良いのか悪いのか、ダブルブッキングならぬトリプルブッキングを体験することができました。二人目の客は空いたエコノミー席が無かったらしく、ビジネスクラスに格上げしてもらったようでした。空の旅は特に揺れることもなく、香水のきついオシボリ以外は快適でした。この時以降、ダブルブッキングに遭遇したことがありません。

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