混乱します!? 音読みと訓読み
小学生の頃、漢字の音読みと訓読みの違いがよく分かりませんでした。そもそも、漢字の読み方に二種類あることが納得できませんでした。漢字には大抵2つ以上の読み方があるのに、さらに音読みか訓読みの分類までしないといけない事に、納得できませんでした。
今では音読みが中国語の音で、訓読みが日本固有の言葉(音)だとわかります。訓読みの訓には、国の意味があります。例えば、犬は訓読みで、犬は音読みです。音読みは、漢字が伝わった当時の発音に忠実な音なので、輸入時期によって漢音と呉音の2種類があります。音読みに2つの読み方があるのはそのためです。例えば、白夜や白紙は2種類の音読みの例です。
漢字熟語の読み方には、基本的なルールがあります。それは音読みで始まるとすべて音読みにする、または訓読みで始まればすべて訓読みにする、です。たとえば、秋田犬は全て訓読みです。秋田は固有名詞なので次のような読み方は出来ませんが、全て音読みにするなら秋田犬になります。
読み方によっては、同じ漢字でも別のものを指す場合があります。白金(はっきん)はプラチナのことですが、白金(しろがね)が銀のことです。しかし、音読み・訓読みのルールには、当然、例外があります。それが重箱読みと湯桶読みです。重箱読みは、音・訓の組み合わせで、湯桶読みは訓・音の組み合わせです。
最近はあまり目にすることはありませんが、小学校や中学校には気温を測るための白い百葉箱が置かれていました。慣例的には百葉箱と読みますが、基本ルールだと百葉箱です。確か昔は、「ひゃくようそう」と習った気がします。
明治時代の文明開化の頃、西洋の様々な用語を日本語にする必要に迫られて、多くの2文字の単語が作られました。自由や社会や哲学などが、その例です。しかし、たくさん作りすぎたための弊害も出ました。それが同音異義語です。漢字で書かれると意味はすぐに分かりますが、会話の中ではピンと来ない場合も結構あります。漢字変換の見本としてよく使われるのが「きしゃのきしゃがきしゃできしゃした」です。これは「貴社の記者が汽車で帰社した」を全部ひらがなにしたものです。
同音異義語の意味が似ている場合には、さらに厄介です。創造や想像、成長や生長は、文脈を良く考えないとどちらか迷います。漢字は難しいですね。
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