人を呪わば穴二つ 呪詛について
今年のNHKの大河ドラマ『光る君へ』を見ていたら、呪詛と呼ばれる”憎い相手を呪い殺す”行為がたびたび出てきます。もちろん、実際にはそんなことはできないのですが・・・。現代では非科学的な行為として片付けられますが、その当時は大真面目で呪詛を恐れていました。
言葉には力があって、言霊という霊力があると信じられていました。そのため、その言葉を使って呪うことで、憎い相手を病気にしたり殺したりすることが可能だと考えていました。今では非科学的で非常識なことも、当時は常識的な考えでした。
平安時代頃の呪詛は、呪符と呼ばれる”呪いを紙に書いたもの”や木彫りの人形/木片に名前が書かれたものなどが使われていたようです。タイトル画のようなワラ人形が使われるのはもっと後の時代のようです。
呪詛を行なうことができるのは、修行を積んだ僧のような人のようです。霊力があると思われていた僧などが、対価をもらって呪詛を行ないます。ただし、呪詛にもリスクがあって、高貴な人を呪詛すれば犯罪になります。また、呪いの力が弱いと”呪詛返し”という反撃を受けて、呪詛した方が呪われます。「人を呪わば墓二つ」という諺の中の”墓二つ”と言うのは、”呪われた人の墓”と”呪った人の墓”のことを意味しています。
難読漢字での例で『お呪い』というのがありますが、オマジナイも呪詛と同じルーツを持ちます。「チチンプイプイ」などのオマジナイには霊的な効力があると、古くから考えてきたため、今日まで身近な生活習慣の中に生き残っています。
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