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糞についてクソ真面目に考えた!!

 まずは安心して下さい。これは実物の糞ではありません。この画像は糞石(ふんせき;コプロライト)と呼ばれる生物の糞が化石になったものです。最近見たブラタモリで、縄文時代の黒曜石星糞(ほしくそ)と呼ばれていたことを知って、今日は”くそ”について真面目に考えてみました。

 日本語の”くそ”という語は、古事記や日本書紀に見られる古い言葉です。語源は不明ですが、”臭し”や”腐る”といった、臭いから来る言葉の同系と考えられています。神話の世界にもクソは登場します。乱暴者のスサノオは、アマテラスが住む御殿にクソをまき散らします。江戸時代では、肥料用の人糞が金銭で売買され、金肥(きんぴ)と称されていました。このように人糞を肥料として用いるのは、世界的に見ると一般的なものではありませんが、江戸時代には長屋の大家さんの大事な収入源の一つにもなっていました。人糞ではありませんが、ウグイスの糞は平安時代から江戸時代頃まで、美顔洗顔料やニキビ治療薬として使われていました。

 排泄を意味する古語の動詞は”まる(maru)”で、排便するは”くそまる”のように使われました。動詞の”まる”は、幼児用の便器”おまる”として現在も受け継がれています。また、昔の男児名に付く麻呂麿も、元は”くそ”、あるいはおまるに由来するという説があります。これは、幼児が魔物などに魅入られず力強く成長することを祈り、名にわざと醜悪なものを付けたためです。確かアイヌの人達も、成人前の子供に、このような変な名前を付けていたと記憶しています。

 ”くそ”は下品な言葉と思われていますが、結構身近で使われています。目糞耳糞などはその典型です。また、「目糞、鼻糞を笑う」という諺もあります。これは、汚い目ヤニが、鼻クソを汚いと言って笑う、つまり自分の欠点には気が付かないで、他人のことを嘲笑う例えです。

 ”くそ”はまた、さまざまな慣用句で使われます。例えば、強い憤り・罵り・自身の鼓舞のときには、「くそ」、「くそっ」、「くそう」などと言うことがあります。また”くそ”を言葉の前や後ろにつけて、くそジジイ・くそババア・くそ坊主・くそガキ・くそ真面目・下手くそ、などと言います。これは、侮蔑や程度の甚だしいことを否定的に表現する意図で使われています。最近では、クソリプというのもありますね^^。

 星糞は黒曜石のことですが、金糞(かねくそ)という言葉もあります。金糞は、製鉄時に残った鉄の不純物(鉄滓:スラグ)のことです。

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