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軌道エレベーター

 最近、職業宇宙飛行士ではなく、民間人の宇宙への渡航や滞在が相次いでいます。米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が立ち上げた宇宙企業ブルーオリジンが2021年12月13日、顧客を乗せた2度目の宇宙旅行を成功させました。同社は7月に、創業者のベゾス氏ら4人を乗せて初めての宇宙旅行を実現しました。今回は、人気SFシリーズ「スタートレック」のカーク船長を演じたウィリアム・シャトナーさん(90歳)ら4人が搭乗しました。宇宙船はロケットで打ち上げられ、高度100キロ超まで達して、約10分後に帰還しました。カーク船長・シャトナーさんは、宇宙に行った最高齢の人物となりました。

 また、実業家の前澤友作さん(46歳)が日本人の民間人で初めて国際宇宙ステーションの渡航・滞在を成功させました。テレビでは「金持ちの道楽」などと揶揄されていましたが、道楽だけでは宇宙へは行けません。素直に、彼のチャレンジ精神を讃えても良いのではないかと思うのですが・・・。前澤さんは、「昔から星空が好きでした。改めて宇宙に行けることをうれしく思いますし、ついに夢が叶うという気持ちでいっぱいです」と述べている通り、長年の夢だったのかもしれません。

 たしかに、専門知識のない民間人が宇宙に行くためには、現状では多額のお金が必要です。しかし、そのうちコストダウンが図られ、いつかリーズナブルなお値段で簡単に宇宙に行けるかもしれません。ベゾス氏のブルーオリジン社も、シャトル型ロケットを再利用することでコストダウンを図っています。

 安心・安全・安価の宇宙旅行の候補に考えられているのが、軌道エレベーター(宇宙エレベーター)です。軌道エレベーターは、地上から宇宙へ伸びた丈夫なケーブルを媒介にして昇降することで、地上と宇宙を行き来します。軌道エレベーターはSFではお馴染みですが、実用研究も少しづつ進んでいます。軌道エレベータ―で最も問題なのは、丈夫なケーブルの素材です。まだ確定している訳ではありませんが、カーボンファイバーなどが候補に挙がっています。ただし、もっと丈夫で安価な素材があれば、そちらが採用されるでしょう。

 また、ケーブルを高速に昇降する機構の開発も難題です。これについては、ほぼ毎年のように大学(院)生によるチャレンジ企画が開催されているようです。ロケットで宇宙に行くには勇気が必要ですが、地上と地続きの軌道エレベータ―なら宇宙への敷居は低くなります。軌道エレベータの実用化は私が生きている間に間に合うでしょうか・・・。

 軌道エレベータの解説本は数冊ありますが、日本語で書かれた軌道エレベーターの学術的な本はこれ1冊しか知りません。私はこの本を購入して持っていますが、今では中古本が1万6千円!!もするようです。


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