テレビにエロが溢れていた時代
コンプライアンスとは、企業や組織が法令や倫理といった社会的な規範から逸脱することなく適切に 事業を遂行することを意味する言葉で、法令遵守と訳されることが多いようです。今は、このコンプライアンスが厳しくなって、テレビでの映画番組を除けば、テレビ番組で女性の裸が映ることはほぼ有りません。しかし、大昔はコンプライアンスも緩く、深夜番組では女性の裸も珍しくありませんでした。
『11PM』は、大橋巨泉さんや藤本義一さんが司会をしていた”大人のための”情報番組でした。番組のタイトル名からもわかるように、夜の11時から始まる番組でした。この番組が放送されていた頃は、小学生低学年の頃でしたから、見ることはありませんでしたが、偶然見てしまったことがありました。
その日は、インフルエンザで学校を休んでいて、お医者さんから処方された薬を決まった時間に飲むことになっていました。夜に飲む薬の時間が遅かったので、一旦寝てから母親に起こしてもらうことになっていました。薬の時間に起こされて、眠たい目を擦っていると、遅い時間にも拘わらずテレビが付いていて、その画面には大人の女性の裸が映っていました。この時は子供ながらにドキドキしたことを覚えています。この番組が『11PM』だったことは、数年後に知ることになりました。
11PMは深夜の時間帯でしたが、ゴールデンの時間帯でも女性の裸が放送される番組がありました。それが『女だらけの水泳大会』です。これは年に1回放送される”女性アイドルがメインの水泳大会”ですが、目玉コーナーに「プールでの騎馬戦」というのがありました。普通の騎馬戦なら何ら問題ありませんが、帽子の争奪戦の際に必ず”ハプニング(?)”で女性の水着が脱げるのです。もちろん、これはハプニングでも何でもなく、”仕組まれたハプニング”です。
現役の女性アイドルをハプニングの対象にするわけにはいかないので、ハプニング要員の女性タレントが別途用意されています。その女性タレントは、騎馬戦なのに、「さぁ取って下さい」と言わんばかりにビキニを着用しています。このハプニングを期待して視聴者はこの番組を見るわけですが、”毎年のようにハプニングで”上半身の水着が脱げます。ハプニングの体で裸を演出しているわけですが、現在のコンプライアンス上では放送が極めて難しい番組でしょう。
大学生の頃に流行ったのは、『トゥナイト』という深夜番組です。この番組は、”真面目なおじいさん”のような作家・利根川裕が務めていました。真面目な情報番組としての側面もありましたが、名物コーナーは何といっても映画監督・山本晋也さんによる風俗街リポートです。山本カントクがリポート時に発していた「ほとんどビョーキ」というフレーズは、当時の流行語にもなりました。
念のために書きますが、この記事ではエロを推奨しているわけではありません。真面目なことを言えば、テレビのコンプライアンスとエロの関係を考察しているわけです。信じてもらえないかもしれませんが・・・。